忍者ブログ


[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


[ 2017/08/21 02:02 | ]
2011年11月 福岡ポエトリーVol.16

2011/11/27 (日)16:00-18:00 gigi
福岡ポエトリーvo.16

〔返事〕

R00125662.jpg

朗読順

1.Seiaさん
2.おさだあつとしさん
3.網野杏子さん
4.小島香奈子さん
5.マッキーさん
6.真山義一郎さん
7.プル式
8.城島久美さん
9.夏野雨



 こんにちは。11月の福岡ポエトリーです。今回のサブタイトルは「返事」。
 今回も、サブタイトルと関係あったりなかったり、さまざまなパフォーマンスが飛び出しました。


0.夏野、司会あいさつ&紹介朗読 (*以下【 】内は朗読作品タイトル)

R00132502.jpg

 さて。今回の紹介朗読は、11/16に福岡で行われた、長沢哲夫さんの朗読会に行った、という夏野の話から、長沢さんと一緒に旅をされていた、ななおさかきさんの詩をご紹介しました。

【ラブレター】ななお さかき
『 半径 1mの円があれば
  人は 座り 祈り 歌うよ

  半径 10mの小屋があれば
  雨のどか 夢まどか

  半径 100mの平地があれば
  人は 稲を植え 山羊を飼うよ  』
              (「ココペリの足あと」 思潮社 より 抜粋)

 
 だんだん距離が広がって、イメージも広がってゆく。
 呼吸する曼荼羅を思わせるような、誰かに教えたくなるような詩です。


【足がある -ナナオと】長沢哲夫
『 記憶という砂漠にころがる石をひろってみよう
  新宿 風月堂
  ナナオはいう
  “君 ぼくはいそがしくってね。そっちにも呼ばれているし、
  あっちにも呼ばれています“
  “いってらっしゃい ぼくはもう少しここに座っています。
   バッハを聴きながら”
  そして また
  “君は今夜の宿はどこかね?”
  “三鷹だよ”
  それでは、とぼくはら歩き出す 
  新宿から中央線にのって
  鉄とコンクリートの水たまりのほとり
  文明をつきぬけ
  「足がある」と                        』
             (「足がある」SPLASH WORDS より抜粋)

 新宿、風月堂というのは、むかし新宿にあった、伝説の喫茶店らしいです。
 行ったことがないのに、長沢さんご本人の朗読が耳にのこっているせいか、その場所をとても近くに感じました。 
 テキスト自体も、語りかけているような口調で、寄り添うようななかに、なにか、時間や空間の残酷さ、そしてたしかさのようなものを感じました。





1. Seiaさん
R00132562.jpg

【飛べない鳥】Seia
『 嫌だった、この世界が
  自由に飛べる、この世界が

  30世紀生まれの友達や
  50世紀生まれの姪っ子も
  私には居るのだけれど

  飛べない鳥でも 良かった         』
             ( 「飛べない鳥」Seia 現代詩フォーラム より抜粋)

 静かな朗読、いろんな想像の余地のある詩で、きいているあいだ、いろんなことを考えました。

テキスト(全文)はこちら
「飛べない鳥」Seia 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=228068


【ウェイクアップ】Seia
『 起きて、起きてよ
  ねえ、起きてったら

  起きてますよ
  いや、あなたに
  起こされましたよ

  あの、起きてないんですよ
  実際、あなた一人暮らしでしょう
  起きたら部屋に人がいるって
  とても可笑しいことでしょう       』
          ( 「ウェイクアップ」Seia 現代詩フォーラム より抜粋)

 冒頭、ちょっと台詞のようなかんじで始まる詩。誰かとの会話のようでいて、自分との対話のようでいて、ちょっと落語みたいなおもしろみがありました。そしてシュール!

テキスト(全文)はこちら
「ウェイクアップ」Seia 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=244187


【楽園】Seia
『 ピンク色のネコが
  メトロポリスの
  エスカレーターを降りていく

  ビルからビルへと
  剥き出しの
  エスカレーターを降りていく

  それは人工の谷底のようで

  あのネコは
  どこに向かっているんだろう   』
           ( 「楽園」Seia 現代詩フォーラム より抜粋)

 ピンク色の猫が、とても映像的で、印象に残りました。
 楽園へといざなう、その猫を追いかける途中で、この世界や意味のありかたに、静かに問いをかけるような気持ちになりました。

テキスト(全文)はこちら
「楽園」Seia 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=244252

 いつも静かに、独特の世界を表現してくれるSeiaさん。淡々とした朗読なのに、会場をひきこみます。





2.おさだあつとしさん
R00132572.jpg

【今日をがんばる 弱い自分に負けるな】 大庭 宗一

 語りのおもしろいおさださん、今回は、福岡の、知るひとぞ知る有名人、大庭宗一さんの著書から、文章をご紹介してくださいました。「自分がんばれ」という本で、1巻から3巻まで出ているそうです。





3.網野杏子さん

R00132662.jpg

 お相撲さんが電車に乗っていて、近くに立っていたら、いいにおいがするので、何だろうとおもって、なかなか聞けなかったけども、なんとか聞いてみたら、「椿油です」と教えてくれた、というお話をしてくださった網野さん。そのお話をきいたこちらまでも、あたたかくてよいにおいのするような気持ちになりました。

早く家へ帰りたい】高階 杞一
『 旅から帰ってきたら 
  こどもが死んでいた
  パパー と迎えてくれるはずのこどもに代わって
  たくさんの知った顔や知らない顔が 
  ぼくを 
  迎えてくれた                          』
              (「早く家へ帰りたい」高階 杞一 偕成社 より 抜粋


 すぐそこに、心情が迫ってくるような朗読で、言葉につまりました。
 




4.小島香奈子さん
R00132702.jpg

 いつも、ストーリー性のあるテキストを読んでくださる小島さん。今日は、ご自身で書かれたというオリジナル作品を朗読してくださいました。この作品のなかには、小島さんが大学時代につくられた短歌がおりこまれているそうです。

【水族館に人魚がいたよ】小島香奈子
『 コトリと音がして、部屋の空気が揺れた
  裸足でぺたぺたと廊下を歩き玄関に行くと、
  郵便受けから、一枚のポストカードがこぼれていた。  
  青い水の中をおよぐ、沢山の魚たちの写真
  切手は貼られていない。たった今、誰かが郵便受けに入れたのだ。   』

 安定感のある声で、安心して身を預けられました。オリジナル作品を朗読されるのは、なんとはじめてということだったのですが、なんともはや、良質なラジオドラマを聴いているような気持ちになりました。
 いつも朗読をされているせいか、作品のなかにでてくるアイテム、文章の広がり方など、音としてとらえて伝わるように、とてもよく考えられているとおもいました。またぜひ、オリジナル作品、聞かせてくださいね。





5.マッキーさん
R00132752.jpg

 佐賀から来ていただきました、マッキーさん、今回はなんと、お二人での朗読です。
 本日結成のユニット、もうお1人は、網野杏子さんでした。

【ごきぶり】マッキー
『 落ち着いた大人の色ってかんじの車ね テニスウェアもシックに決めたわ        』
『 ごきぶり色の車やね と 彼は言った テニスの練習に遅れてきた女性の車のことだ
  もっと別の言い方があるのではと思っていたが
  黒褐色のその車をみていると ごきぶり色にだんだん見えてきた             』 

R00132802.jpg

 軽妙なかけあい、会場からも笑いやどよめきが巻き起こっていました。
 福ポエ初の2人朗読だったのではないかと思います。
 マッキーさんのとつとつとした朗読、網野さんの関西弁をおりまぜた朗読が、いいバランスでした!
 テキストも、2人用に書かれていましたね。
 すてきな趣向、ありがとうございました!




6.真山義一郎さん
R00132882.jpg

 立川談志さんの話から、まったく関係のない詩をよみます、といって読んでくださいました。

【返事】真山義一郎
『 手紙を書いて
  手書きで書いて
  手紙を出した
  だけど
  元妻からも 前の彼女からも 前の前の彼女からも
  デリヘルのあいちゃんからも
  お母さんからも 返事は来なくて              』

 静かにすべりだした朗読は、ほっともっとのお弁当や、焼酎や、火花や、宇宙や、そんなものを通過するうちに、夜のなかに、なにかあかるい灯明のように、ゆれているのをながめるようなそんな句読点でした。

【三十六歳の青春】真山義一郎
『 もうあいつふざけとう
  もうやろうっ、て、口々に言う
  匕首をみつめたり、 
  眼光をキメたり
  もんもんの入った 上腕二頭筋をふくらませてみたり    』

 なんとも福岡のにおいのすることばから始まる詩。
 この作品は、ユリイカの佳作に選ばれたそうです。おめでとうございます。
 朗読も、とてもよくて、とつとつとはじまるんですけれども、山あり谷あり、ユーモラスで、わらっていいのかな、わ、わらっちゃおうかな、とか、おもいつつ、笑いながら、でも、ちょっとさみしさのてざわりが残りました。


【世界の真山義一郎】真山義一郎
『 世界の果てに立って
  ながめてみたら 不思議ね
  炭鉱の長屋とか かくうちのニッカポッカとか
  遠いようで近くて 引いて行っては寄せて
  寄っていくと消えて
  あのきんけし どこいったかなあ         』

 さみしい、でもどこかそれを超えていて、おしよせる世界をそれでも好きで、だから、
 とてもやさしい、世界への憧れ、と思いました。





7.プル式

R00133032.jpg

  ひさしぶりに登場のプル式さん、ちょっとまわりすぎるぐらいの滑舌で、絵本を読んでくれました。

焼かれた魚―The Grilled Fish 】アーサー・ビナード
『 どうかして今一度、あのひろびろとした海にいって、なつかしい兄弟たちに会いたい 』 
        ( 「焼かれた魚―The Grilled Fish 」アーサー・ビナード パロル舎 より 抜粋 )

 海にかえりたいさんまの話です。
 とってもせつない!
 そして、いまにもクライマックス、というところで、読むのをやめてしまうプル式さん。

 「自分の詩もよみたいから・・」とのこと!え~っ。 
 

【虹色の町のあなたへ】プル式
『 雨にかすんだ街を見ながら
  少し寂しくなったので
  あなたの言葉を思い出しました。  』
   ( 「虹色の町のあなたへ」プル式 現代詩フォーラム より抜粋)

 なんとも乙男。乙Menです!

テキスト(全文)はこちら
「虹色の町のあなたへ」プル式 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=79008






8.城島久美さん

R00133062.jpg

【せかあがほろびねねはら・わなたさ】城島久美
『 世界が滅びないならば、私が消えよう
  auショップで
  いかにも、誘拐されそうな女の子が
  画面に映し出されている…             』

 淡々と、しかしはっきりとした朗読で、声が耳に残りました。
 どんどん見つけてしまう悪意と、それさえも乗りこなそうとする気概のようなものを感じました。

【地獄の季節】アルチュール・ランボー/小林秀雄訳
『 また見つかった、
  何が、永遠が、 
  海と溶け合う太陽が。  』

 有名な詩ですが、朗読を聞いたのははじめてだったので、新鮮でした。
 抑揚の押さえられた声で、そのせいか、詩の言葉がくっきりと伝わってきたように思います。

【好き?好き?大好き? 】ロナルド・D・レイン
『 彼女 好き? 好き? 大好き?
  彼 うん 好き 好き 大好き
  彼女 なによりもかによりも?
  彼 うん なによりもかによりも
  彼女 世界全体よりもっと?
  彼 うん 世界全体よりもっと     』
(「好き? 好き? 大好き?―対話と詩のあそび」ロナルド・D・レイン みすず書房 より 抜粋)

 ひたすら相手の言ったことを肯定していくというテキスト。はじめは、単なる男女ののろけ的なやりとりとおもってきいていたのですが、聞いているうちに、ふっと、果てしない無力感をおぼえるような、いつまでも答えの提示されない質問にえんえんと答え続けているような、しゃべる自動販売機に丁寧に返事をかえしているような、気分になりました。実存主義から交流分析まで、いろんな感想が、さまざまに頭のなかをかけめぐりました。

 いつも海外文学・文化のエッセンスを紹介してくれる城島さん。貴重な人材です。
 最近いつもきてくれて、ありがとう!





9.夏野雨

R00132532.jpg

【こちら地球】Seia
『 こちら地球 きこえますか
  月がとても美しいです どうぞ
  こちらガイア きこえます
  月がとても恋しいです どうぞ

  日本と呼ばれていた辺りに船を止め
  現在 周辺を巡視中です
  まだ 建物は残っています
  ただ 相当苔むしていて
  段々と自然に戻っていくのがわかります  』
       ( 「無限チャンネル計画」 より 抜粋 )

 先日手に入れたSeiaさん私家版の詩集、「無限チャンネル計画」から、一篇朗読しました。
 ご本人の朗読をお聞きしたことがあったのですが、自分で読むとなると、テキスト自体が新鮮で、また新しく出会った詩のように感じました。
 紙の詩集で読むのも、いいものですね。

 観客の方からは、「色のついたような朗読だった」という感想をいただきました。読み手が変わると、詩の印象も、だいぶ違うようです。

 テキスト(全文)はこちら
 「こちら地球」Seia 現代詩フォーラム
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=233726

 そしてもう一篇は、自作を朗読しました。
 今回のサブタイトル、「返事」は、紅葉が、返事みたいにみえた、という、夏野のおもいつきから決まったのですが、それにちなんだ詩になりました。ひさしぶりの即興暗唱でした。長くなってしまった!

【返事】夏野雨
『 黒い森でした
  その文字たちの黒い森のなかで
  わたしは
  足をとめることなく
  あるいていたのです
  その黒い文字たちの、読み始めた、その幹のあいだを
  あるいていたのです                         』

 テキスト(全文)はこちら
 「返事」夏野雨 現代詩フォーラム
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=250149





 さてさて11月の福岡ポエトリー、サブタイトルは、「返事」ということなのですが、いかがでしたでしょうか。毎回、考えに考え抜いたサブタイトルをつけているのですが、たまにつけたおもいつきのほうが、話がひろがることがありますね。ふしぎなものです。

 最近レポートブログの更新が遅くて、ぺこりぺこりです。しかし開催した分、いつかかならず掲載しますので、どうぞひとつおおきな心でみまもってやってください。

 それからさいきん、「福ポエにはゆけないけどこのブログはいつもみてます!」という方にたびたび出会います。、ありがとうございます。励みに更新がんばります。

 ではまた、このブログ、もしくは福岡ポエトリーでお会いしましょう!






R00116002.jpg



 

拍手[7回]

PR

[ 2012/03/03 14:43 | Comments(1) | レポート ]
2011年10月 福岡ポエトリーVol.15
 
2011/10/23 (日)16:00-18:00 gigi
福岡ポエトリーvo.15

〔秋のミステリー〕
R00129702.jpg

朗読順
1.おさだあつとしさん
2.匿名希望さん
3.真山義一郎さん
4.城島久美さん
5.龍秀美さん
6.マッキーさん
7.小島香奈子さん
8.Seiaさん
9.夏野雨




 こんにちはー。10月の福岡ポエトリーです。今回は、「秋のミステリー」という一風変わったサブタイトルです。ちょっとハロウィンにかけてあるような、ないような、怪談でるのかでないのか、みたいな、どんな詩やパフォーマンスがとびだすか、たのしみです。

0.夏野、司会あいさつ&紹介朗読 (*以下【 】内は朗読作品タイトル)

 夏野あいさつ。今日この回に来るまえに立ち寄ったBOOK AT ME (2011.10.19-10.30@天神イムズ)
というブックカバー展のことをご紹介しました。
 このブックカバー展は、年に一度イムズで行われているもので、九州出身のクリエイター150人がデザインした、オリジナルブックカバー150作品が展示してあります。
 また、各作品に投票できるようになっており、投票した人には、なんとブックカバー10枚入りがプレゼントされます。豪気ですね。もちろん夏野も投票しました。夏野いちおしはこちら↓

かねこしんぞう「漱石、ジャムを舐める」http://bookatme.jp/bookcover_list2011/kaneko_shinzo

 そのままブックカバーの一文を朗読

【漱石、ジャムを舐める】河内一郎
『 「吾輩は猫である」が書かれた千駄木町時代の漱石の朝食は、
  一斤一〇銭くらいのイギリスパンに、一キログラム当たり一七~二六銭くらいの白砂糖を付けて
  食べていた。パンに砂糖を付けるのは、森鴎外も同様にしていたようで、当時はこのようにして
  食べる習慣があり、決して珍しい光景ではなかったのである。                       
 』
 いいですね。いつの時代も(あるいは時代が変わるからこそ)食べ物の話は、新鮮で、興味深いものです。

 さて、もうひとつ紹介朗読、今回は、最近思潮社から発行されたほやほやの詩集をご紹介しました。

【ろうそく町】伊藤悠子
『 ろうそく町に行こうと思います
  ろうそく町は古い地図の中にあるはずなのですが
  場所は確かめられません
  名前だけが残っているのです        
  名前は記されてあるのです
  そのろうそく町でろうそくを売るのです        』
(「ろうそく町」伊藤悠子 思潮社 より抜粋)


 ろうそく町、というタイトルからして、もはや一気にもっていかれるかんじなのですが、この冒頭、さらにもっていかれっぱなしです。ろうそく町に行ったかと思うと、もう、ろうそく町でろうそくを売るのです!いやはや。なんていい詩なんだ。。
 ろうそく、というものの、ちょっと宗教的なところ、そしてそれがいつかともされるものであるというところ、それらを一気につめた、とても印象的な作品です。とくに2連目の、ろうそくがともされるところ、それまでシスター的だった風景が、きゅうにやわらかなものになり、そしてまた自分にもどってくる、風景と内観のかさなった、みごとな描写に脱帽です。




1.おさだあつとしさん
R00129792.jpg

【政治物語】おさだあつとし
『 投票に行ってね
  投票に行くのだ
  投票に行ってくれ  
  政治くさってます  』
 現代政治をモチーフにした詩。社会とか、政治に対するいらだちが前面にでていました。


【パラサイトシングル】おさだあつとし
『 ああ 先をこされてる 現実がみえたね 』
 歌をまじえた朗読。ちょっとつきぬけたかんじが、クセになりそうです。


【ひきこもり】おさだあつとし
『 世間から社会へ 自分から他人へ わたしからあなたへ 』 
 現代社会のことをかいた詩。

【放浪エクスプレス】おさだあつとし
 『 命燃やして 彷徨いながら 歩き続ける 』
 熱唱です ああ、せいしゅん。

 おさださんのパフォーマンスは、はじめみたときちょっとびっくりした部分もあったのですが、みていくうちに、妙な境地に入り込んでいくかんじがします。味のある朗読です。
 今回初めて自作の朗読、ありがとうございました!





2.匿名希望さん
 【爽やかな五月に】【さびしき野辺】【夢のあと】【朝に】【午後に】【樹木の影に】【夢みたものは…】
 立原道造の詩を朗読してくださいました。しっとりとした朗読。ありがとうございました。




3.真山義一郎さん
5405a344.jpg

 「秋のミステリーということで、ミステリーっていうのをいろいろ考えてみたのですが、やっぱり僕にとっては女性がいちばんミステリーということで、女性に関する詩を朗読したいと思います」といって、朗読してくださいました。

【女たちへのいたみうた】金子光晴
『 おしろいにまみれた裸虫さん
  まだあったかい牛乳瓶さん
  寝床のうえに壊れた瀬戸物さん
  二十年前の匂いやかだった女たちのように
  二十年後は若いあなたも老いているから
  わたしは悲しげに目をつむる 
  蒼穹の深み おびただしい石の円柱が倒れる 』

( 「女たちへのいたみうた」金子光晴 集英社文庫 より抜粋 )

 女性への語りかけーとても親密なーから、無常感にいたる飛躍がさすがです。金子光晴というひとは、女性を描くことを通して、人間や年月といったものをえがこうとしたのかなあ、とおもいました。朗読も、しずかでしっかりとしていてよかったです。トラックを使わなかったことで呼吸がより鮮明になったように思いました。
 とくに、牛乳瓶さん、と語りかけるところが◎

【存在の耐えられない軽さ】ミラン・クンデラ
『 天国へのあこがれとは 人間が 人間ではありたくないという強い願いなのだ 』
( 「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ 集英社文庫 より抜粋 )
 きっぱりとした文章で、印象的でした。


【ツオタイ・タリーの喜びの歌】N・スコット・ママデー
『 僕は輝かしい空を飛ぶ鳥だ
  僕は平原を疾走する青い馬だ
  僕は水の中でくるりと体を回転させ、きらきら光る魚だ
  僕は子どものあとを追う影だ
  僕は夕方の光 平原の輝きだ
  僕は風とたわむれる鷲だ                    』
( 「ネイティヴ・アメリカン詩集」新・現代詩文庫 土曜日術出版販売 より抜粋 )

 鳥、馬、魚、と、次々に視点が移動していって、最後に自分にもどってくる、ちからのわいてくるような詩です。静かな朗読もよかったです。


【君の季節】真山義一郎
『 君の季節
  君の季節
  君の季節がやってきた
  君色に吹く風は
  あの頃のいさかいとはまったく違って
  とても優しくて
  だから余計に寂しい            』
( 「君の季節」真山義一郎 現代詩フォーラム より抜粋)
 夏なのかな、と勝手に思いました。風で始まり光でおわる、せつない詩です。
 ペンギンがでてくるところがかわいかったです。

テキスト(全文)はこちら
「君の季節」真山義一郎 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=241972





4.城島久美さん
R00130002.jpg

【あの娘は綾波レイが好き】銀杏boyz
『 頭がパーだから 頭がパーだから
  誰とでも寝るんだ 誰とでもやるんだ 』

【わたしがこの歌を好きな理由】城島久美
 この歌を好きな理由を、紙に書いて読んでくださいました。手紙のような、すこし論文のような、ていねいな文章でした。

【ころせころせ】城島久美
『  ころせころ せろこせころせ、朝イチで聞く鈴虫の声  』
 ロック、ロック、とおもいながら聴いていました。冒頭の歌もそうですけれども、過激だったりするだけではなく、反骨的な部分があって、いいなあ、とおもいました。





5.龍秀美さん
R00130022.jpg

 先月ゲストできていただきました龍さん。今月も立ち寄っていただきました!ありがとうございます。
 先日届いたというほやほやの詩集をご紹介してくださいました。

【三月 雨】小柳玲子
『 夕方
  窓の外をサンマの顔をしたものが歩いていった
  「お父さん サンマが」といったが父には聞こえなかった
  父の部屋はとても遠い
  長い廊下を走っていったが どの夕方にも間に合わない
  裏木戸にはむらさきのおおきなものと
  むらさきの小さなものが来ていた
  「お父さん むらさきの」
  叫びながら走ったが 父の部屋は遠い              』

( 「さんま夕焼け」小柳玲子 花神社 より 抜粋)
 朗読をきいていると、夢のなかをあるいてゆくような感覚になりました。奇妙に色が鮮やかだったり、廊下に電話ボックスがあったりと、ふしぎなことがつづき、どんどんひきこまれてゆきます。
 さいごの、天気予報のような音声、雨にうもれるようなきもちになりました。

【灰色の雲】小柳玲子
『 東の空のはしに 灰色の雲が
  わたしは荒物屋の角をまがり にがうりを一本買った
  夏が終わるらしかった
  わたしは あとさきのない ただようような物語を書こうかと 』
( 「さんま夕焼け」小柳玲子 花神社 より 抜粋)
 雲のようにとりとめのない雰囲気ですすんでゆくのですが、買って帰ったにがうりがキーになってきて、ゆきつかない物語、ゆきどまりのような台所やねむるときのようす、ああ、自分が雲になった(だった)のでは、と思わせられる、深い朗読でした。


【冬の名前】小柳玲子
『 長い階段を降りてゆかなければならない
  わたくし看護士 小柳玲子は 名札をつけてゆく規則である  』
( 「さんま夕焼け」小柳玲子 花神社 より 抜粋)

 魚の描写がどきっとする、長い階段をおりてゆく詩。しずかな声で、印象ぶかかったです。
 今回のサブタイトルにいちばんふさわしかったのではないでしょうか。「秋のミステリー」。さんま、ゆうやけでした。





6.マッキーさん
R00130052.jpg


【意識のなかに浮かぶもの】マッキー
『 川の土手に 鮮やかに咲く彼岸花 
  赤が一面に滴り ひろがっていく
  川には魚は見えない
  したたり落ちる赤におびえ
  川の淵の淀みや  水草の中の奥底に隠れているのか 
  ただ目だけをぎらぎら光らせ 息をひそめている何かを意識するだけである  』
 ちょっとこわいような描写からはじまる詩。いつものユーモア+座敷わらしに出会った的なこわさがありました。秋のミステリー!





7.小島香奈子さん
R00130082.jpg

 小島さん、電話にまつわる短編を朗読してくださいました。
 ストーリーの朗読も、いいものですね。素直に物語の行方が気になります。
 すてきなお話、ききとりやすい、可憐な朗読でした。

 今度、朝倉郡のピアノサロン「ぱすとらーれ」でも朗読されるそうです。

●話咲山朗読会 vol.18 11月のスープ
 
11/26(土)14:00~15:30*¥800(1ドリンク付き)
http://pianodaisuki.jimdo.com/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AE%E3%81%94%E6%A1%88%E5%86%85/
 







8.Seiaさん
R00130182.jpg

【穴空き天井倶楽部】Seia
『 天井にケータイを投げ付けたら
  ぶつかるすんでのところで
  天井に小さな穴があいちゃって
  ケータイすいこまれちゃって

  起こった事の理解が出来ず
  とりあえず検索しようにも
  ケータイすいこまれちゃってて
  思い出したようにPCをつけて

  キーワード検索してみたら
  一つのサイトがヒットした     』

( 「穴空き天井倶楽部」Seia 現代詩フォーラム より抜粋)
 続きが気になって、じっと聴き入っていました。
 聴き終わったあと、名状しがたい感覚が残りました。それでそれは何だろうとよく考えてみたのですが、この冒頭、現実にふしぎなことがおこって、「とりあえず検索しよう」とするんですね。そしてケータイがないから、パソコンで検索しちゃうんですね。そして、検索して、そしたら掲示板があらわれて、それでなんか安心しちゃうんですね。頭上の穴はふさがってないのに。
 現代社会の何かを象徴している、とか、暗喩だ、とか、そういうことではなく、ケータイ、インターネットが身近な一生活者として、なんだかものすごく共感する詩と朗読でした。
 「穴空き天井倶楽部」というネーミングセンスも◎

テキスト(全文)はこちら
「穴空き天井倶楽部」Seia 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=242221


【うらみはらさで】Seia
『 ある日私は死にまして
  ふと気付いたら
  地面で寝てまして

  そうかここは天国かと
  回りを見渡すと
  そこにはただの日常があって
  平日お昼の町並みがあって

  寝ていた私を誰も見ていないので
  これが世に言う幽霊なのかと
  少し透けた手をじっとみました     』
( 「うらみはらさで」Seia 現代詩フォーラム より抜粋)
 タイトル、冒頭をきいて、怖いはなしなのかと思ったのですが、次第にそういうことではないと気がつきました。最後にすけた自分の手は、きっとまだ、生きている手、なのかな、と思いました。言葉をうらぎてゆくかんじ、新鮮でした。朗読が聴けてよかったです。
 

テキスト(全文)はこちら
「うらみはらさで」Seia 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=242297




 

9.夏野雨
R00129742.jpg

 ミステリー、ということで、考えたのですが、怪奇を書くには修行がたりなかったので、以前書いた詩と、だいじにおもっている詩の2つをを朗読しました。

【りんご】夏野雨
『 まっかなまっかな
  りんごです

  踊りましょうと
  言われたら
  くるくると
  踊ります

  あかいドレスを
  ひるがえし
  あなたの手をとり
  くるくるる              』
( 「りんご」夏野雨 現代詩フォーラム より抜粋)

テキスト(全文)はこちら
「りんご」夏野雨 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=142965


【あざみ】夏野雨
『  千の針を従えて あざみ 野に咲く。 』
 めずらしく散文詩です。いかがでしたでしょうか。当日の感想おまちしています。





 さて10月の福岡ポエトリー、いかがでしたでしょうか。先月ゲストできてくださった龍さんが、またきてくださって、とてもうれしかったです。毎回参加者が違うので、やっぱり全体の雰囲気も変わって、新鮮ですね。
 朗読を楽しむ方、現代詩が好きな方、お話が好きな方、音楽もされている方、いろいろで、「ほんと詩ってひとことで言うけれど、ひろいなー」と、感じています。それから今回、夏野の古い知り合いの詩人、黒猫さん(仮)が、長崎からフェリーに乗って立ち寄ってくれました。ありがとう!





 最後に、よく福岡ポエトリーでキミドリさんが朗読してくださっている詩人・長沢哲夫さんの朗読会のお知らせです。諏訪瀬島に住んでいらっしゃる詩人の方だそうです。

 2011年11月16日(水)20:00~ 
 長沢哲夫【Reading+Talking・Session】(リーディングライブ)

 XAYMACA〔ザイマカ〕
 福岡県福岡市中央区天神3-4-15 天神バッカス館 3F(地下鉄天神駅徒歩3分)
 料金1,000円 要予約→ザイマカ(0927142585)
 http://www.poeca.net/%E9%95%B7%E6%B2%A2%E5%93%B2%E5%A4%AB%E3%80%90Reading-Talking-Session%E3%80%91/event/4324/




 さてさてそれでは、10月の福岡ポエトリーも、これにておひらき、次回は11/27(日)16:00~です。
 サブタイトルは、「返事」。この言葉から連想される詩や小説の一文・パフォーマンスを考えてみてください。また、詩人の返事を目撃したいかたは観覧も◎ 
(※サブタイトルと関係のない朗読・パフォーマンスも歓迎します。
 それではまたお会いしましょう!


R00129732.jpg





拍手[4回]


[ 2011/10/23 19:34 | Comments(0) | レポート ]
2011年9月 福岡ポエトリーVol.14
2011/9/25 (日)16:00-18:00 gigi
福岡ポエトリーvo.14

〔夏のせとぎわ〕

R00127732.jpg


朗読順
1.キミドリさん
2.小島香奈子さん
3.新井悠ノ介さん
4.Seiaさん
5.マッキーさん
6.龍秀美さん(ゲスト朗読)
7.増本大二郎さん
8.城島久美さん
9.網野杏子さん
10.夏野雨





0.夏野、司会あいさつ&紹介朗読 (*以下【 】内は朗読作品タイトル)

 こんにちは。9月の福岡ポエトリーです。今回は、「夏のせとぎわ」と題して、お送りしたいとおもいます。
 冒頭の紹介朗読では、司会の夏野雨が、ここ一ヶ月で最も心をときめかせた詩をご紹介しております。
 今月は、こちらの作品。

【恋ふみ海埜今日子(うみのきょうこ)
『 ぬるさのはなつこいでした
  せいちょうするおんどさでした
  かさなりのたんねんにはりめぐらされ
  はなれたねんげつをたぐりよせ
  あいぞうきんぺんでさわぐだろう
  がれきにむけてたびだったので
  わたしめがけてうけとります
  らくさふきんにしゅいろにはなつ
  やせたたよりのおとずれだった   』

(「詩集 セボネキコウ」海埜今日子 砂子屋書房より抜粋 )


 この、「セボネキコウ」という詩集、なまえもおもしろくてたのしいのですが、女のひとの情感や情念というものを、すこし透明にすくいとる、すてきな詩集です。とくにこの「恋ふみ」という詩がよくて、それは、だれかとの詩のやりとりのような、詩でなくてもはっきりとした言葉ではない、態度や他の人との会話でのーしかしあきらかにその2人に通じるところのあるーかかわりあいのような、淡くてすこしずるいような、せつない詩です。とくにとくに、ここでは引用はしませんが、6連めの、『べつのいつわをたどりましたよ』の鮮やかさ!

 




1.キミドリさん
R00127892.jpg
 キミドリさん、「サンダルがすきで、もう夏もおわったので、そろそろやめようかと思ってやめたのですが、やっぱりあつくて、今年は、半袖少年少女ではないけれど、『サンダルをいつまで履き続けられるか』ということに挑戦してみようと思っています」とお話ししてくださいました。

【ライト】キミドリ
『 右利きのわたしは 左手でとうもろこしの皮をむく
  右目が利き目のわたしは 物体を右目中心でフォーカスする
  右手が利き手のひとは 左足が利き足だ
  だからわたしは
  左足で地面を蹴ってジャンプする    』

 とてもよく考えられたテキストで、利き目、利き手、利き足、と自分のからだをたどっていって、歯医者さんの話で転調、そして単語のライト(right)の持つ二つの意味(右)と(正しい)をかけて、

 『正しいことをするto the right thingこれは社会のために、というより自分にとって、と解釈するようになったのはいつからだろうか』となげかける。しずかな、考えさせられる朗読でした。


【ループ】キミドリ
『 ぐるぐると渦巻く大きなループのなかにいた 』
 音と言葉、という言葉が響く、印象的な朗読でした。台風のとき、海のそばにいたときのことを書かれたそうです。「真横から雨がふってくるのを体感して、音楽と風と波の音で、すごくテンションがあがりました」とお話してくださいました。

 そして、アイヌ出身のアーティストの方の音源をご紹介して下さいました。
 音源は、アイヌの言葉で、ちょっとラップのような、打楽器とまざったなにか弦のひびきの楽器も鳴っていて、不思議な音楽でした。こういうご紹介も、うれしいものですね。




2.小島香奈子さん
R00127882.jpg

 初登場の小島さん。とってもキュートな方でした。
 朗読がとてもすきで、今年で朗読17年目になるという小島さん。ライブだけではなくて、目が不自由な方の朗読ボランティアや、映画の副音声などもされているそうです。
 この夏は、台湾の映画で、副音声を担当されていたそうです。映画は、カフェのストーリーで、チャ-ルという女の子の役だったそうです。映画には、おいしそうな喫茶メニューがでてくるので、リハーサルのときは、いつもカフェラテを買って、練習していたそうです。「なのでこの夏の思い出は、台湾語と、カフェラテです」と、チャーミングにお話されていました。

 ちいさなストーリーを1篇と、詩を3つ読んでくださいました。

 朗読にはいると声が深みをおび、よく訓練された、とても聞きやすいパフォーマンスでした。内容も柔らかく、とっても安心してたのしませていただきました。音楽も効果的で、しっとりと、深夜ラジオ「ジェットストリーム」のようにココロが持っていかれます。
 朗読が好き、ということが伝わってきました。来てくださってありがとうございます。 また、いらしてくださいね!





3.新井悠ノ介さん
R00127792.jpg

 当日エントリーの新井さん、世界のあちこちを旅したり、海外に住まれたりしていたそうです。
 今回、サブタイトル「夏のせとぎわ」にちなんで、昔書かれた「夏の終わり」という詩を朗読してくださいました。

【夏のおわり】新井悠ノ介
『 アスファルトゆらぐ蜃気楼
  擦りきれたソール
  照り返し
  路面をとらえ
  地面をとらえ繰り返しジャンプするジャイブする  』
(「WONDERFUL」新井悠ノ介 七月堂より抜粋)
 異国の川(ー実際の川でなくて光のながれのようなー)の風景がたちあがり、短いのにとても印象的な朗読でした。

 もうひとつ、ラオスにいらっしゃったときに書かれた詩を朗読してくださいました。

【シンクロニシティ】新井悠ノ介
『 絶えず点滅する夕陽が地平を超えぼくたちを置き去りにするころ
  湿った夜風が頬をなでて身体のなかで明滅する電子たちがゆるやかに流れてこの惑星がゆらぎはじめる  』
(「WONDERFUL」新井悠ノ介 七月堂より抜粋)
 たたみかける言葉は、何か移動しているもの、映像だけではなくて、どんどん流れてゆく心情をつぎつぎとうつしとってゆくようでした。 聴いていると、自分が川になって流れてしまうんじゃないかと思いました。

 初登場、といっても百戦錬磨の印象の新井さん。福岡でこんな方にお会いできるとはうれしいです。
 またいらしてくださいね。





4.Seiaさん
R00127842.jpg

 今年は花火をみていない、というSeiaさん、2つの詩を朗読してくださいました。

【洗濯機 チャンネル ストロー】Seia
『  「ヒーローあらわる!」と書かれた
  スポーツ紙 一面を見ながら
  コーヒーをすすり パンを食む
  昨日の疲れがまだ残ってる       』
 Seiaさんにはめずらしい、 ぐるぐる 言葉がまわる詩。ぐるぐる、ぐだぐだ、という言葉が何度もでてきますが、朗読をきいていると、手洗いモードの洗濯機の中にほおりこまれたように、ぐるぐるとしたあたまのなかのように、ぐるぐるとします。
 そのなかで、ヒーローになってくれた誰か、ヒール(悪役)になってくれた誰か、と、きっとこない終わりの、みつどもえが、色づいているようです。

テキスト(全文)はこちら
「洗濯機チャンネル ストロー 」Seia 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=240614


【夏のさりぎわ】Seia
『 ヒグラシの虫かごを片付けながら
  また来ますよ と夏が言ったので
  私は わかってますよ と返した   』
 ヒグラシ、入道雲、夕立、そして朝顔と夏が丸まって小さくなる。その背をみるさみしさと、スズムシを迎えるちょっとほっとしたかんじ、ことばが的確で、ひろがって、とてもすてきな朗読でした。これぞSeiaワールド!

テキスト(全文)はこちら
「夏のさりぎわ」Seia 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=240559





5.マッキーさん
R00127942.jpg

 佐賀から来てくださいましたマッキーさん。いつも観覧だけだったのですが、今回初めて朗読してくださいました。

【ごきぶり】マッキー
『 ごきぶりの色やん
  ごきぶりの車やねと彼は言った
  テニスの練習に遅れてきた女性の車のことだ
  もっと別の言い方があるのではと思っていたが
  黒褐色のその車を見ていると
  ごきぶり色にだんだん見えてきた          』

 ユーモアあふれる朗読でした。マッキーさんの朴訥とした語り口もあいまって、独特のおかしみをかもしだしていました。ひねりもあって、きかせる朗読でした。
 
 マッキーさんは、こんど佐賀でも詩の朗読会をされるそうです。以前も佐賀の詩人の方がきてくださったことがあったのですが、福岡にもちかいし、活気のあるところなんですね。これからもよろしくおねがいします。

 佐賀の朗読会等の詳細情報はこちら↓ 
 佐賀なわての会のブログ 「なわてⅡ」
 http://blog.goo.ne.jp/2011sinawate





6.龍秀美さん(ゲスト朗読)
R00128032.jpg
 今月シークレットゲストの龍秀美さん。詩集『TAIWAN』で第50回H氏賞(2000年)を受賞された実力派です。
 今回は、7年前の9月に亡くなられた親友の方の詩と、ご自身の詩を朗読してくださいました。

【この地上】杉真理子 
『 大きな川の畔に座って
  夕陽を見ていた
  それはゆっくりと
  たとえば
  わたしたちの
  最後の一日のように
  ためらいがちに落ちていった   』
( 「秋日和ー詩集」杉真理子 書肆侃侃房より抜粋)

 しみいるような、しずかな朗読で、秋、というもののしずかさ、さみしさ、そしてやさしさを思いました。ありがとうございます。

 【冬芋夏魚(とうしょかぎょ)】龍秀美
『 テレビ番組のクイズで
  夏の風物詩 金魚すくいのおじさんは 冬は何をしているのでしょう
  という問題がでた
  そういえば小学校のとき
  父親の職業欄に 夏の仕事を書くか 冬の仕事を書くか 悩んだものだった 
  夏は金魚すくい 冬は焼き芋や
  このふたつの職業はワンセットなのだ 』
 ( 「冬芋夏魚」龍秀美 より抜粋)
 夏、ひらひらと泳ぐ金魚。ちいさいころ葬式の旗持ちをしたというお父さんの手の先にはためくであろう旗。冬、地中にうまっている芋。国家、台湾の芋。家族。
  頭の上にはためく旗、金魚の、ひらひらとしたきれいな部分と、それにつながる芋、根の部分が同時に描かれていて、とても印象的な朗読でした。ありがとうございます。またぜひ、気軽にいらしてくださいね。

 



7.増本大二郎さん
R00128052.jpg

 さて、おひさしぶりの増本さん。というかすっかり常連ですね!(嬉

【びいどろ】増本大二郎
『 鉛の春に知覚をくすぐり はじっこのうたをなだめあかす
  ああ 今日も晴れた名前は てのひらの鉄道を渡る   』

『 鉛の春に登録番号07-06-06の太陽が降る         』

 厚く曇った雲の下にいるような、鈍い色の朗読。
 「詩とは何だろうと考える事があります。その答えはまだでておりませんけれども、ごんべんに寺、言葉の駆け込み寺、心の駆け込み寺のようなものではないかと考え、アンニュイといいますか、ちょっと暗い詩を書く事がおおいとおもいますけれども、ご了承いただければと思います」とお話してくださった増本さん。詩と向かい合う真剣な姿を感じます。

 朗読も滑舌よくたいへん聞きやすかったです。テキストはざらざらとした質感の語句が多く登場しますが、時折さしはさまれる情、のようなものが、アクセントとして利いていると思いました。





8.城島久美さん
R00128092.jpg
【自由(リベルテ)】ポール・エリュアール
『 小学校のノートに
  ぼくの机に、木々に
  砂に、雪に
  ぼくは君の名前を書こう

  読んだすべてページに
  白いすべてのページに
  石に、血に、紙に、灰に
  ぼくは君の名前を書こう

  金ぴかの肖像に
  戦士の武器に
  王様の冠に
  ぼくは君の名前を書こう
 
  ジャングルに、砂漠に
  獣や鳥の巣に、エニシダに
  子供時代の木霊に
  ぼくは君の名前を書こう

  夜の素晴らしい時に
  昼の白いパンに
  婚約した季節に
  ぼくは君の名前を書こう      』

『 そして、ひとつの言葉の力で
  ぼくはまた人生を始める
  ほくは君を知るために生まれた
  君に名づけるために

  自由(リベルテ)と。         』

( 「自由(リベルテ)」ポール・エリュアール より抜粋)

 なんていい詩なんだ、、とおもいつつ、城島さんの朗読をきいていました。
 堂々とした朗読で、詩のよさが伝わってきました。
 ポール・エリュアールの詩をたぶんはじめて聞きました。ふだん自分ではなかなかふれないだろう名作の朗読がきけるというのも、オープンマイクならではですね。ありがとうございました。またいらしてくださいね。





9.網野杏子さん
R00128172.jpg

【林家】荒川洋治 
『 二人は温泉に来たのに
  崖に近づき
  だんだんぼくの好きな人になる   』
( 「坑夫トッチルは電気をつけた」荒川洋治 彼方社 より抜粋 )
 林家こぶ平と林家ペー、林家パー子のことを書いた詩。聴いていて、はじめ「この人は政治家だったのか。。」とおもったのですが、だんだん進んでいくうちに そうではなくて、詩のことなんだな、とわかり、わかってきたころに、ああこのひとはまだなにかあきらめていないんだな、という感想をもちました。
 あじわいぶかい朗読でした。もっと何回もきいてみたいです。ありがとうございました。

【夏のせとぎわ】網野杏子
『 日差しがやきつくすことを忘れてくれて
  やっと 靴を履く
  外壁に青い薔薇が埋め込まれたマンションをでる
  腰の重さは 名前の重さだ
  さだめの名 あらがいの名         』

 名前というものがひとつの生き物のように、自分が飼う生き物のように、あるいは自分の飼い主のように感じられる朗読でした。
 自分の名前を自分でつけるということは、あまりないようで、現代社会においては、わりと必要になることがあります。mixiだったりツイッターのアカウントだったり、あるいはメールアドレスだったり、ペンネームだったり、いろいろですが、その、自分で名前をつける、ある意味での覚悟、とか矜持みたいなものを強く感じる朗読でした。それから名前と悪魔祓いは、やっぱり切り離せないなあ、と思ったのでした。最後にでてくるカラスも◎





10.夏野雨
R00129762.jpg
(写真がなくて10月のものです汗)

【こんぺいとう】夏野雨
『 つるつる
  とげとげ
  ぱしぱし
  ころん

  まるいかたちの
  こんぺいとう
  ちいさな涙で
  できています    』

テキスト(全文)はこちら
「こんぺいとう 」夏野雨 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=135643


【砂と時計】夏野雨
『 区切られていたのは砂であって
  ぼくたちではなかった
  ちいさな時計をひっくりかえす
  坂道だけがあればよかった
  スロウ スロウリィ スリープ ライト  』

テキスト(全文)はこちら
「砂と時計」夏野雨 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=203876



 日曜日に引っ越してのはじめての回でしたが、来場者の方にめぐまれ、ほんとうによかったです。初登場の方がおおくいらして、でも百戦錬磨だったりして、驚きとおもわぬ喜びもありました。それぞれの個性あふれるパフォーマンス、たのしかったです。そしてシークレットゲストとしてきてくださった龍秀美さん、ありがとうございました!

 さて次回も第4日曜日、10/23(日)16:00~です。またお会いしましょう!

R00127772.jpg





拍手[4回]


[ 2011/09/25 12:36 | Comments(0) | レポート ]
2011年8月 福岡ポエトリーVol.13

2011/8/27 (土)16:00-18:00 gigi
福岡ポエトリーvo.13

〔蝉、鳴く〕

R0012561.jpg


朗読順
1.Seiaさん
2.おさだあつとしさん
3.みのりさん
4.イマハシリョヲタロウさん
5.真山義一郎さん
6.みずもとさん
7.キミドリさん
8.くろきゆうこさん
9.網野杏子さん
10.夏野雨





0.夏野、司会あいさつ&紹介朗読 (*以下【 】内は朗読作品タイトル)

 こんにちは。2年目の福岡ポエトリーです。毎月第3土曜日に開催しておりました福岡ポエトリーですが、日曜日のほうが日程調整しやすいという意見が多かったため、次回9月から、毎月第4日曜日に変更になります。場所や開始時間(16:00~)はかわりませんので、今後ともよろしくお願いします。

 そんなあいさつのあと、朗読。今回は、パルコ出版からでている立原道造詩集をご紹介しました。この詩集、以前もとりあげたことがあるのですが、立原道造さんの詩に、漫画家の魚喃キリコさんが挿絵をつけていて、その絵も詩も、さらには装丁もすばらしく、もういちどご紹介してみたいとおもっていたのでした。

【唄】立原道造
『 太陽と彼の帆前船
 黒ん坊と彼の洋燈
 昔の絵の中に薔薇の花

 僕は ひとりで
 夜が ひろがる        』
     (「立原道造詩集 僕はひとりで 夜がひろがる」パルコ出版より 抜粋)
 

【風が……】立原道造
『 《郵便局で 日が暮れる
  《果物屋の店で 灯がともる

  風が時間を知らせて歩く 方々に   』
     (「立原道造詩集 僕はひとりで 夜がひろがる」パルコ出版より )

 立原道造の詩は、風が吹くような、かんじですが、その余白の部分に、魚喃キリコさんの絵がぴたりとおさまっていて、そうか、この詩はそうだったのか。。。と、ふにおちるかんじがしました。

 そしてもうひとつ、服部剛さんの詩集「Familia」から、「さといも家族」という詩をご紹介しました。

【さといも家族】服部剛
『 進路のことで親父とケンカしてとっくみあい
  おかずをひっくり返した夜もあったが
  今夜はらんぷの下で食卓囲み
  味をかみしめたさといもが胃袋に入れば
  お金持でなくとも
  ほっくり笑顔を絶やさずに
  ねっちりしぶとく生きていけそうな
  4人は丸みをおびた顔をてからせた
  さといも家族                      』
(「Familia~ファミリア~」詩遊会出版より 抜粋)
 
 なんともゆったりとしたこの詩。さといもを選んだところが、すてきです。さといものわらったかおがみえる!







1.Seiaさん
R0012586.jpg

【光陰】Seia
『 足を止め休んだ午後では
  昼過ぎを足元に置いて
  冷やされた早朝を飲みなから
  迷宮入りの深夜を静かに読む            』                       
         (「光陰」現代詩フォーラムより抜粋)

 「一ヶ月と一週間が並べられていて レジの横には揚げたての一昨日」という言葉で始まるこの詩。しっかりと言葉をおいてゆくSeiaさんの朗読をきいていると、ふしぎにおちつき、自分が商品棚にならんでしまうような、やるせないようなたのもしいような、そんな気持ちになりました。

テキスト(全文)はこちら
「光陰」Seia 現代詩フォーラム
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=239052


【0から】Seia
『 隔離棟の冷たさと
  大家族の真夜中と
  テロリストの孤独と

  若者の不満と
  飛び立つ白鷺と
  絵画の儚さと

  西日の美しさと
  私の影と
  時計の針と

  揺れる心と草舟とカーテンと      』
                       (「0から」現代詩フォーラムより抜粋) 
 とても映像的な詩で、つぎつぎとさしこまれるイメージが、つみあげられて、0は1になる。その余白のような、コンマ以下のような部分が、なければ0は1にならない。光景たちがしずかに響く、陰影の深い朗読でした。

テキスト(全文)はこちら
「0から」Seia 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=238875







2.おさだあつとしさん
R0012590.jpg

【花しぐれ】作詞 松本隆 唄 高田みづえ
『 雨の街に 呼び出されて 傘も持たずに 飛んで来た
  わたし髪を 切りすぎたの
  まるで 男の子みたいよ

  水無月の雨の色
  大粒の真珠なの
  揺れる私の 睫毛の先にも滲む
  フラワーレインに濡れて
  吐息の舟にのり
  見知らぬ街 あなたと漂うの 』
 なんてかわいい歌詞なんでしょう。おさださんの朗読も、ミスマッチ感がよかったです。

【愛のメモリー】作詞 たかたかし 唄 松崎しげる
『 美しい人生よ 限りない喜びよ
  この胸のときめきを あなたに
  この世に必要なのは 愛し合うことだけと
  あなたはおしえてくれる              』
 松崎しげるさんの唄、ということでしたが、どうしても及川光博さんがでてきてしまう愛のメモリー。最強ですね。うん。

【乾杯 モンテカルロ】歌詞 ちあき哲也 唄 庄野真代
『 乾杯 モンテカルロ 好きよあなたが楽園
  シルクハットを月に飛ばして
  明日は明日よ
  踊ってモンテカルロ 熱いタンゴで夜通し
  割れてしまえ 地球なんか
  恋は狂詩曲(ラプソディー)  』

 昭和51~53年、ちょうど小学校か中学校だったころ、おさださんは静岡にいたそうです。今回は、そのころの曲を中心に、ご紹介いただきました。
 おさださんのお話が面白くて、ひきこまれるので、いつも「いつか落語とかやってほしい…」と思っています。どうでしょうか、こんどぜひ!





3.みのりさん

R0012593.jpg

 今回初登場のみのりさん。弦楽器のすてきな音のなかで、おはなしを朗読してくださいました。

【夜明けの静まり】クリシュナムルティ
『 微風もなく あらゆる草木 森も藪もしずかで ずっと待っていた
  日ののぼるのをまっていた 多分あと三十分ぐらいは日ものぼらないだろう
  そして夜明けは異様な静けさで地上をゆっくりとおおっていった           』
                                            (「最後の日記」平河出版社 )
 カリフォルニアの、オレンジの木が生い茂る谷に住んでいた、クリシュナムルティの、テープレコーダーに吹き込まれたおはなしのひとつとのことでした。
 もともと語られたお話のせいか、動物たちの息吹がきこえてきそうな、お話でした。
 寝る前によんでほしいと思いました。よくねむれそうです。





4.イマハシリョヲタロウ(ドルメンズ)さん
 
R0012601.jpg

 本日のゲスト、イマハシリョヲタロウさんです。 
 福岡ポエトリーができる前から、福岡で詩のイベント「ドッキンポエム」を開催されていたイマハシさん。
 Youtubeなどにその様子が動画でUPされていて、それをみた夏野はずっと、「ドッキンポエムというものに参加してみたい」と思っていたのですが、うまいこと日程があわず、ざんねんに思っていました。

 ところが、前回8月の福岡ポエトリーの後、同じ会場のgigiで、イマハシさんのライブがあると告知がでていたので、会がおわってしばらくしてからふたたびgigiに戻ってきてみたらば、無事ライブをみることができ、さらにはご本人にお会いすることができました。
 ライブ後、あつかもしくもだめもとで、ゲストに出てくれませんか~とお誘いしたところ、なんと快諾。今日の運びとなりました。いやあ、ほんと、来てくれてありがとうございます!

【ざんこくについて(弾き語り)】イマハシリョヲタロウ
『 ぼくはきみの憂いをわかっていたんだ
  それは ほんとは きっと うそだけど
  ぼくはきみの憂いをどうかしたかったんだ
  それも ほんとは きっと うそだけど

 花に嵐の たとえのとおり
 いちめんに風ふいて
 まいあがる花吹雪の その嵐がおさまったら
 きみはもう いなくなっていた

 しらずしらずに しらずしらずに
 てのひらはなびら いちまい きみの空気だけのこした   』

 なんという叙情。とくにサビ前の歌詞がくらくらするぐらいいいです。
 がつんとした演奏もすてきでした。
 演奏につづいて、詩の朗読もしてくださいました。

R0012607.jpg

【色っぽい司書さん】イマハシリョヲタロウ
『 おおなぜ
  おおいったい
  なぜ
  あなたはそんなあられもない格好をしているのですか  』

 という愉快な出だしの司書さんの詩。渾身の朗読。次の展開はどうなるだろう、と、手に汗にぎる楽しさで、ひきこまれました。自分も本をひらいたら、ウフフ、ウフフ、と、逃げてゆく文字がみえるんじゃないか、という気になります。ウフフ、ウフフ。


【友引き(弾き語り)】イマハシリョヲタロウ
『 あれは いなくなってしまったきみの 鳴り響き続ける声
  きみが呼ぶ声が 今もやまない
  きみが呼ぶ声が 今もきこえてくる               』
 夏のおわり、ひとりの部屋で、窓を開けて蝉の声を聞いているようなきもちになりました。もしかしたら蝉の声はきこえていないような、蝉の抜け殻のような透明なものに、歌声が反響しているような。

【ユーエフオーと二人旅】イマハシリョヲタロウ
『 ユーエフオーと旅に出る
  ユーエフオーと旅に出てるよ
  ユーエフオーと 僕とでね       』
 ユーエフオーと、ふたり旅。時計や日付がなくなってしまったような、たのもしいようなたよりないような、すうすうした気持ちになりました。


【レディオ・エイジ(弾き語り)】イマハシリョヲタロウ
『 そして チューニングを合わせた ラジオの向こうから
  DJは ふたたび語りだした
  そのとき僕はもういちど 思い出すだろう

  いつだって音楽は 体の中で 鳴り続けてるってことを
  レディオ・スターは ここにいるってことを             』

『 テクノロジーの行列の果てに
  ズタズタにされちまった 音楽を抱きかかえている
  ノスタルジィと 笑わば笑え                      』
 
 かっこいい。がんがん進むギターの音と一緒に、メロディアスなサビ、そして歌詞。とても耳に残る旋律と歌声でした。
 朗読も、弾き語りも、とてもよくて、「こんな方が福岡に!」と、驚きと喜びがありました。会場にご用意して下さったCDも沢山売れていましたね。
 ドッキンポエムも、次回開催たのしみにしています。出演ありがとうございました。また、今度はお気軽にフラリいらしてくださいね。

 ネオ文系ロックバンド・ドルメンズのHPはこちら
 http://www.ac.auone-net.jp/~dolmens/top.html
 ライブ情報も見られるョ!






5.真山義一郎さん
R0012627.jpg

 もりあがったイマハシさんのあとで、登場の真山さん。イマハシさんの「色っぽい司書さん」に、「ライバル登場かと思った」と、軽快なトークで場を賑やかせます。

【夏って】真山義一郎
『 畜生
  女の子、大好き!  』
 真山さんらしいというか、女の子大好き感のあふれる詩。それはもうすがすがしいほどです。

テキスト(全文)はこちら
「夏って」真山義一郎 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=236582
 

 続いて、もう一作。

【きゃっ】真山義一郎
『 きゃっ
  きゃっ
  水辺
  川
  太もも
  おっぱい
  おしり
  笑顔
  きゃっ
  きゃっ
  水しぶきー   』
 なんともコミカルな朗読で、笑わされました。会場のみなさんもよく笑っていましたね。
とくに、水しぶき~、のところなんか、最高です。





【帰宅】真山義一郎
『 5年後のわたしが帰ってきた朝は
  なつかしい青の匂いがした
  5年後のわたしに聞きたいことは沢山あったけれど
  その顔をみて 
  たぶん 幸せなんだろうな と思った
  ふわりとした子どもが二人いることや
  太陽の幸せに照っていることはもう知っていた
  なぜなら 未来には可能性しかないからだ          』

 真山さん、「今日たまたま5年前に書いた詩をよんでいて、5年後の自分に向けて書いている詩をみつけたので、これは読まねばと思い、読みます」と言って、読んでくださいました。
 5年後の自分に向けた、せつない詩です。時間がたって、それをいま受け取るというのは、どうなんだろう。逆に、5年前の自分が来訪して、こんにちは、と言ってくれたような、気持ちになりました。
 笑わせても、最後ははずさない、真山さんでした。





6.みずもとさん
R0012634.jpg

 いつも奈良にいらっしゃって、当日は熊本から来てくださった、みずもとさん、飛び入りで、福岡ポエトリー初登場の朗読です。

【木】みずもと
『 一年前の記憶を呼び起こす
  西鉄天神大牟田線からはるか700キロ東
  近鉄名古屋線の長太ノ浦あたり
  ほんの10秒ぐらい車窓から見える場所に一本の大楠が立っていた  』

 マイクを使わず、歩きながらの朗読。とても印象的なリーディングで、耳に残りました。
 たまに混じる奈良の発音が、やわらかく、靴音や音声の移動とあいまって、この詩にかかれた土地、そのときの空間を、みずもとさんと一緒に、歩いているような気分になりました。





7.キミドリさん

R0012641.jpg


 今回は、トラックを使わない朗読。もしかしてトラックをつかわないキミドリさんの朗読を聞くのは、はじめてかもしれません。

【おめでとう】キミドリ
『 おめでとう
  今日のあなた
  明日のわたし
  5年後のあなたたち
  10年後の私たち
  おめでとう
  太陽が東の空に昇ってく
  風が吹いて熱を運ぶ
  肌を焦がし
  心を焦がし
  熱い気持ちを空に放て     』

 お祝いの詩。しっかりと大地に立つ木に言われているような、スケールの大きさを感じました。



【二十七歳のきみへ】キミドリ
『 二十七歳よこんにちは
  楽しいことたくさんしよう
  うつくしいものたくさん見ていこう
  たくさんたくさん夢をみていよう  』

 とても素直な詩で、こんな手紙(メール?)をもらったら、ずいぶんうれしいだろうな、と思いました。
 トラックのないキミドリさんの朗読は、はっきりとした声はそのままに、等身大の姿がくっきりと浮かび上がるようでした。いつも、素敵な朗読をありがとう。





8.くろきゆうこさん
R0012643.jpg

【(呼吸法についてのおはなし)】くろきゆうこ

 前回の福岡ポエトリーを観覧していただいて、今回初登場のくろきさん。人それぞれの言葉のお話から、会場のみなさんと一緒に、マントラなどをやってみてくれました。
 短時間で、なかなかむずかしかったのではないかと思うのですが、いろいろなお話をしてくださいました。ありがとう。
 




9.網野杏子さん
R0012648.jpg

 今日のトリの網野さん、8月の福岡ポエトリーのサブタイトル「蝉、鳴く」に、ここで初めて触れてくださいました。ありがとう。

【私は飢えていた】マザー・テレサ
『 私は飢えていた。食べる物がないのではなく、
  清い心から来る平和に…。           』

【自分自身から解放されますように】マザー・テレサ
『 主よ、私は思いこんでいました。
  私の心が愛に漲っていると。
  でも心に手を当ててみて、
  本音に気づかされました。
  私が愛していたのは、他人ではなく、
  他人の中の自分を愛していた事実に。       』

 「わたしは無宗教なのですが、」とお話してくださった網野さん。マザーテレサの詩は、まぶしすぎるほどまっすぐですが、朗読もまっすぐで、お人柄があらわれるようでした。

【月に一度はあなたの夢】網野杏子
『 あのころ胸のあとが痛むほど握りしめた記憶は
  いつのまにか指の隙間からきこえていった
  のこされたのは イマージュ
  すりきれがちなその映像はなお 仄かな疼きを伴って
  確かな心音を響かせながら あたしの奥へと帰っていく   』

 以前つくった網野さんの自作詩集「ペンギン歩きでたどりつこう」から、選んで読んでくださった一作。とてもキュートで、かわいかったです。ペンギン歩き、いいですね!



 

10.夏野雨

R0012654.jpg

 そんなこんなで、なぜか宗教の話から、映画「重力ピエロ」の話になった無宗教の夏野。そんな前置きとは関係なく、詩をふたつ読みました。


【青い朝】夏野雨
『 ずっと嘘だったんだぜって唄いながら※
  鉄塔の街を歩く青、
  まだ明けない火が残る
  喉の奥には                   』
             (「ユリイカ2011年7月号」青土社より抜粋)
 ※は斉藤和義「ずっと好きだったんだぜ」の本人による替え歌


【猫という一群】夏野雨
『 猫島には猫がいて
  猫島っていうのは近所にあるつつじの植え込みのことなんだけど
  マンションと公園の間でへんなロータリーになってるところがあって
  そのすきまに島みたいにして煉瓦で一段高くなってるところがあって
  茂みのなかに猫がたくさんいて                     』
                 (「猫という一群」現代詩フォーラムより抜粋)
 

テキスト(全文)はこちら
「猫という一群」夏野雨 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=240220





 二年目初めての福岡ポエトリー、ゲストの方もいらしゃって、とても賑やかな会になりました。毎回、出演者がちがうというのも、魅力ですね。そして当日エントリーも受け付けていますので、きてみてびっくり初登場の方もいらっしゃいます。今回は、初登場の方が多くて、とてもうれしかったです。ぜひまたお立ち寄りください。

 さてさて、最近、朗読の時に、トラックを使う方が増えたので、夏野が機器を操作することになり、あわてながらも(?)なんとかこなしています。ウフフ。ウフフ。なまあたたかい目でみてやってください。ウフフ。

 そして来月からは、第4日曜日に開催になります。時間もすこし延長(参加者の人数にもよりますが)となりますので、どうぞよろしくお願いします。次回は、9月25日(日曜日)16:00~ です。日曜日ですよ!これまでお仕事などで来られなかった方も、お気軽にお立ち寄り・ご参加ください。それではまた来月、お会いしましょう。



R0012577.jpg






R0012574.jpg







拍手[4回]


[ 2011/08/27 01:57 | Comments(0) | レポート ]
2011年7月 福岡ポエトリーVol.12

2011/7/18 (土)16:00-18:00 gigi
福岡ポエトリーvo.12

〔一年めの夏〕
R0012109.jpg
朗読順
1.サラ・カイリイさん
2.網野杏子さん
3.真山義一郎さん
4.匿名希望さん
5.長田あつとしさん
6.田中亮子さん
7.プル式
8.大月みやさん
9.Kさん
10.Seiaさん
11.キミドリさん
12.夏野雨





 今回は福岡ポエトリー一周年ということで、サブタイトルは【一年目の夏】。
 一年前は影もかたちもしらなかった詩人たちが、いま福岡ポエトリーという場所に集まり、同じ空間で詩を朗読しています。そのふしぎを感じつつ、朗読者のみなさんに、「一年前は何をしていましたか?」と尋ねてみました。





0.夏野、司会あいさつ&紹介朗読 (*以下【 】内は朗読作品タイトル)

司会の夏野から、一周年のお礼のあいさつがありました。
そして朗読。

【プー横丁にたった家よりプーの言葉】アラン・アレクサンダー・ミルン作 石井桃子 訳
『 そのあとから出てきたがったんだよ 』
『 だから、ぼく、出るのにまかしといたんだ。
  詩をつくるにはね、それがいちばんいい方法なんだ、出るのにまかせるっていうのがね  』
                                      (「プー横丁にたった家」岩波少年文庫 岩波書店より )

 世界でも有名なはちみつ好きなくま、プーさんのお話、「くまのプーさん」の続編。トラーに食べ物を探しに行くという話の中で歌われる、トラーのために食べ物を探し疲れて困ったプーの詩とそのあとにつづく言葉。
 あぁ、なるほど。名言です。
 余談ですが、「くまのプーさん」も、この続編も、作者ミルンの1人息子、クリストファー・ロビンのために書かれたそうです。


 



1.サラ・カイリイさん
R0012113.jpg

 「去年(の今ごろ)は何もしてなかった。ほんとうにプーでした」といって会場を笑わせてくれました。「今年は禁煙をがんばろうと思う」とのことです。その意志は蜂蜜のように固いね!
 
【海水と涙の比較研究】寺山修司
『 海水一リットルと涙一リットルでは、
  どちらが塩からいか?

  にんげんが愛しあうようになってから流した涙全部と、
  地球ができてからそこに貯えられてきた海水と
  どちらの量が多いか?                』                       
         (「寺山修司少女詩集」角川文庫 角川書店より抜粋)

 寺山修司、ときくだけで、映画「田園に死す」のような、ジャーン白塗りジャーンワッハッハッハかっっくいー、といった映像がどうしても頭をよぎるのですが、この詩をサラさんが朗読すると、そういった映像を洗い流すようにシンプルな地球の映像が浮かんできました。そしてもうひとつ寺山修司の詩を。

【翼について】
『 鳥は飛ぶとき
  つばさで飛ぶが
  あなたは飛ぶとき
  何で飛びますか? 』
         (「寺山修司少女詩集」角川文庫 角川書店より抜粋)

 こちらはいかにも寺山修司っぽい(とおもう)詩。短いですが、印象に残る詩です。

【水中庭園】サラ・カイリイ
 過去という水の中で満たされた部屋の中で、力を抜いて浮かんでいる様でした。
ふと気付き手をのばす先に居る「自分」さえもが、たよりなくゆらいでいる。

【イージーガール】サラ・カイリイ
 まるで大人のアリスの様に、くるくるとしている。とても可愛いテキストと朗読でした。ポップなのもいいね!





2.網野杏子さん
R0012120.jpg
 「一年間の今頃は、何をしてましたか?」の質問に、「願い事を書きました。『福岡で詩を語れる友達が欲しい』と。それが叶いました。」と応えてくれた網野さん。福岡ポエトリーにきてくれてありがとう!
 そして金子光晴の詩を読んでくださいました。

【二人がのんだコーヒ茶碗が-山之口貘君へ】金子光晴
『 二人がのんだコーヒ茶碗が
  小さな卓のうえへのせきれない。
  友と、僕とは
  その卓にむかひあふ。

  友も、僕も、しゃべらない
  人生について、詩について、
  もうさんざん話したあとだ。
  しゃべることのつきせぬたのしさ。 』
     (「金子光晴詩集」岩波文庫 より抜粋)

 そこに居る友の存在には時間もなにも関係ない。詩友の素晴らしさよ。
 なんともおちついた、趣のある詩です。ラストもいいなあ。網野さんのしっかりとした朗読とあいまって、コーヒーのいいにおいがしてきそうでした。

【夏野雨への手紙】網野杏子
『 マヨネーズ手早くつくるには 卵と酢とサラダ油の他に なにを入れると思いますか?』 

 夏野雨をマヨネーズに例えた内容に、おもわずほっこり。マヨネーズを作る時に手早く作る方法は何か。それはマヨネーズの一滴。いままでただの材料だったもの全てがマヨネーズに変わる瞬間。全てのマヨネーズになる夏野雨。
 網野さんの福岡ポエトリーに対する愛情が伝わってきました。ありがとう。





3.真山義一郎さん
R0012126.jpg
 「去年はAKB48のえれなさんが卒業したのが悲しくて一週間泣いていた。 」と話してくれた真山さん。あいかわらずしょっぱなから真山節全開です。

【もう一編の詩】金子光晴
『 恋人よ
  たうたう僕は
  あなたのうんこになりました。

  あなたにのこりなく消化され
  あなたの滓になって
  あなたからおし出されたことに
  つゆほどの怨みもありません   』
       (「金子光晴詩集」岩波文庫 より抜粋)
 
 燃焼し尽くした男の好い詩でした。(すごい愛情だと思うんですよね/真山 談)

【居酒屋みどりで】アルチュール・ランボー
『 八日前から、小石の道で深靴を酷使し続け、ぼくは
  やっとシャルルロワに入っていた。
  ― 酒場「みどり」で、ぼくが注文したものは
  バターを塗ったパン切れと冷えた生ハムだった。』

 実にインパクトの強い愛の詩。女性を見る目がきれい。

 つづいて真山さん、「すごくセンチメンタルで恥ずかしいのですが、」と、自作の詩を読んで下さいました。

【一周年おめでとうの詩】真山義一郎
 『 これは詩だ、といえば、詩になる。だから、これは詩です。』
 居場所について語られる、率直な言葉。書くという事での幸福。書き続けるということが力強かったです。

 現代詩フォーラムという詩のサイトがあって、夏野は福岡に来る何年も前からずっとそこで真山さんの詩を拝読していたのですが、たまたま福岡に来ることになって、福岡ポエトリーを始めて、そのことによって、ご本人の詩の朗読が聞ける日が来るとは、正直に言って、ちっとも全然考えていませんでした。しかしうれしいサプライズでした。ありがとう。





5.長田あつとしさん
R0012132.jpg
【挨拶という即興】長田あつとし
「ACのCMについて大人から子供まで。子供向けは大人にも伝わるのではないか」(抜粋)というのは実に良く分かります。

【コンプレックス】長田あつとし
『もっと自由になりたい』『独りよがりしたい』
『やる事なす事全てで鬱憤をはらしたい』
煙の様に浮かんでは語られる言葉の魅力が不思議な力と熱量で魅了してくれました。

【悲劇のシンガーソングライター】長田あつとし
すごく、ノタリ、と心に引っ付く詩の語り。無理をしない語りがとてもよかったです。深夜ラジオの様にふと聴き入ってしまう感じでした。





6.田中亮子さん
 大分からきてくださった田中さん。すっと背筋の伸びたうつくしい方でした。

【炎の人-ゴッホ小伝-】三好十郎
『 ヴィンセントよ、
  貧しい貧しい心のヴィンセントよ、
  今ここに、あなたが来たい来たいと言っていた日本で
  同じように貧しい心を持った日本人が
  あなたに、ささやかな花束をささげる。
  飛んで来て、取れ。                                                    』
                                                            (「炎の人―ゴッホ小伝」而立書房より抜粋 )
  心とは何だろう。苦しみと、愛と、絵に惹かれた人。理解をされない芸術と生活とそれは今自分の中にある。ゴッホに宛た手紙の詩。もとは戯曲の一部のようですね。
 よくコントロールされた田中さんの朗読は聞きやすく、テキストのよさがすっと入ってきます。田中さんの美しい姿勢を拝見し、聞いているこちらまで背筋が伸びるかんじがしました。今日のパフォーマンスのなかでも秀逸の朗読。
 どうぞ、また、いらして、朗読をきかせてくださいね。





7.プル式
R0012143.jpg
 最近腰に手ぬぐいをつけているプル式さん、今日は詩誌「詩と思想」で佳作になったという短い詩をいくつかよみました。

【僕が少し壊れていくから】プル式
『 時計のゼンマイの音を聞く
  腕にピッタリと耳をつけて
  微かな音を逃すまいとする

  カフェの隅、雑音の中で
  それはとても不可能な気がする
  それでもその一瞬をじっと待つ  』
 しずかな圧迫感のある詩と朗読でした。

【防波堤】プル式
『 わからないのは
  底にある気持ち
  伝わらない
  静かな気持ち  』

【骨のある風景】プル式
『 鳥は黒い残像を残して空を飛ぶ
  僕の足元には幾つかの背骨が転がる
  変わる季節は紅く白く
  緑と白の面影に囚われる

  自転車が魚の様についっと泳ぎ過ぎる  』

 タイトルも印象的ですが、ぽつぽつとした朗読もまた耳に残りました。 

【朝とサイダー】プル式
『 パシパシとサイダーの様に
  洗濯バサミの沢山ついた
  名前の分からないヤツが鳴る
  朝
  窓辺の事
  ガラスの向こうは雨あがりで
  いつまた降り出すのかと     』

 ぱしぱしというおとと、洗濯バサミ、サイダーへのつながりが絶妙です。きっと夏のことなんだとおもいました。





8.大月みやさん
R0012148.jpg
 今日本屋さんで手に取った、という詩集を読んでくださいました。
 オープンマイクだと、こういう出会いもあっていいですね。

【またあした】島田雅彦
『 世界と僕は戦っている きっと世界が勝つだろう 
  僕に仲間はいるのだろうか?
  ああ 世界は今日もまた、少し 退屈になっていく

  でも君のことが好きになったから 
  冷たい空しさを まぎらしながら踊っていることにしよう

  ついでに 謎の教師に尋ねてみよう

  友達って何の役に立つんですか?            』
                             (「自由人の祈り:島田雅彦詩集」思潮社 より抜粋 )

 一人でも、一人でなくても、又明日という感じの内容で、ひょっこりひょうたん島のドンガバチョの台詞の様に「今日がダメなら 明日にしましょ」という様な気張りすぎない前向きがよかったです。





9.Kさん
R0012152.jpg
「詩は言葉であり、それを手にする事が出来るなら
重みに沈む事が出来るのではないか」 5年前、福岡に帰って来てどうだったか、話からすっと即興に入りました。

【即興】K
 もちあげられた モチーフのかかと。
 即興が、すばらしかったです。

【かき集めて】K
『 ことばは
  かけらだ
  かき集めて
  かき集めて
  つくる砂の城が
  ひかりを浴びて
  窓に飾る花の叫びだ
  レースがひるがえり
  それは、かけらだ      』

 きらきらとした中に深く沈む染みがある。美しさの中にある染みの醜い美しさ。
 青春の様にくるくると回る時間と男と女と今と。生活を切り取った詩でした。





10.Seiaさん
R0012158.jpg
「一年前、クーラーの無い夏を過ごしていました。」というSeiaさん。短い詩を3編読んででくださいました。

【名前がない!】Seia
『 名前がない

  出かけなくちゃならないのに
  服装バッチリ決まった筈なのに

  名前がない

  急いで引きだし全部開けたのに
  押し入れの布団まで出したのに

  名前がない               』(現代詩フォーラムより部分抜粋)

 私を私と証明するもの。私は何なのだろうか。
とても想像のわく作品で楽しい。

 テキスト(全文)はこちら
「名前がない!」Seia 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=236410


【ひまわりというゆめ】Seia
『 ひまわりばたけをぬけたさきに

  りんごのきがあって

  きのまわりをさんかいまわると

  みぎてにりんごがおちている

  ひまわりというゆめ       』(現代詩フォーラムより部分抜粋)

 これは何を示すのだろう。何を求めるのだろう。本当に伝えたい事は何だろう。
 幸せという事について考えました。

 テキスト(全文)はこちら
「ひまわりというゆめ」Seia 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=236666

【光】Seia
『 素晴らしく良い物を見た時の
  今なら何にだって感動出来そうな 』(現代詩フォーラムより部分抜粋)

 一瞬の印象は鮮烈に目の中に光景を描く。透明な詩。

 テキスト(全文)はこちら
「光」Seia 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=236490





11.キミドリさん
R0012163.jpg
 「去年はクーラーがあったけど、今年は壊れた 」というキミドリさん。トラックを使った朗読で、ことばがこちらにふみこんでくるような、印象的な声でした。

【不愉快は愉快】 キミドリ
 『黙って皮膚の溶ける音を聞く』
 とても白い詩、白い星色の詩。

【午睡の夏の午後】 キミドリ
 曖昧になっていく境界。私とあなたを繋げる柔らかなまどろみ。

【泥棒】 キミドリ
 「あなた」を見つめる目の優しさ。

【夏の沈黙】 キミドリ
 嫌いと繰り返しながら心の揺らぎに
 美しく過ぎる夏が見える。





12.夏野雨
R0012167.jpg
【リズムトーン】夏野雨
『 音楽が鳴り続けている間
  しゃべり続けることにして
  どこまでも続いていく午後のひざしのなかを
  歩いていった
  右足左足
  舗装された7月の道を
  歩き出すには
  走りだすには
 雨に濡れた空白が必要で          』(現代詩フォーラムより部分抜粋)

「一周年なので新しいことに挑戦してみたかった」と言う夏野。福岡ポエトリーではじめてトラックをつかった朗読です。
 小さく小さく鼓動を打つ。言葉を並べる縁石の上で。高く、高く。ガラスの中から必死に何かを伝える様な詩。パフォーマンスとして美しくかっこ良い朗読でした。

テキスト(全文)はこちら
「リズムトーン」夏野雨 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=236989

 すべてのパフォーマンスが終わった後で、「今月の福岡ポエトリーは、これで・・・(終わります」と、夏野が言ったマイクを奪って、網野さんが、「終わりません!」と言って、どこからか花束がでてきました。おまけにクラッカーも鳴ってました。福岡ポエトリー一周年を記念して、なんと参加者の方が用意してくださっていたのでした。

 そんなこんなで思わぬ花束贈呈。観覧者のすずさんからは、すてきなケーキキャンドルもいただきました。

R0012179.jpg


 思い返せば一年前、土地勘のほとんどない福岡におりたち、「参加者が(主宰の)2人でもしかたないよねー」といいつつ、福岡ポエトリーをはじめた夏野とプル式でしたが、いつでも1人はきてくれて、いまや観覧の方もあわせると10人以上がきてくれて、人数じゃないんですけれども、福岡ポエトリーというイベントは、一年でずいぶん成長したなと思います。それもこれも、参加してくださった方、参加せずとも応援してくださった方のおかげと思います。すてきなお店との出会いもあり、再会というような初対面もあり、いろんなことがありました。なかでも一番うれしかったのは、「福岡で詩を読める場所ができたことがうれしい」と、言ってくださる方達がいたことでした。

ゆるいイベントですが、月1回、なんとか続けてゆきたいと思っています。二年目という未知の領域に進むことになりますが、これからもどうぞ、福岡ポエトリーというイベントを、かわいがってやってくださいね。



 さてさて9月から、開催日が毎月第3土曜日から第4日曜日に変更になります。そして時間も16:00-19:00ごろまでと延長になります。この微妙な変わり方。どうかみなさまお間違えなく。9月は9/25(第4日曜)、10月は10/23(第4日曜)です。以降ずっと第4日曜です。

 そしてさらに次回8月のみお店の都合により8/27(第4土曜日)16:00~です。8月のみ第4土曜日ですよ!どうかお間違いなく!ゲストはなんと、福岡で福岡ポエトリーより先に開催されている詩のイベント「ドッキンポエム」の主宰者、イマハシリョヲタロウ(ドルメンズ)さんです。(ドルメンズのHPはこちら→http://www.ac.auone-net.jp/~dolmens/top.html
 どうぞおたのしみに。どなたさまもお気軽にお越しください。


R0012184.jpg

 





 

拍手[4回]


[ 2011/07/28 00:41 | Comments(4) | レポート ]



 |  いちばん上へ  |  次のページ >> 福岡ポエトリーとは