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[ 2017/09/24 15:34 | ]
2010年11月 福岡ポエトリーVol.4


2010/11/20 (土) 15:00- 17:00 gigi
 
福岡ポエトリーVol.4
 

IMG_1954.jpg









朗読順
1.平地智さん
2.にぎにぎさん
3.Seiaさん
4.サラ・カイリイさん
5.渡辺玄英さん(ゲスト朗読)
6.プル式
7.みえみえさん
8.網野杏子さん
9.夏野雨


 福岡ポエトリー、今回は移転後初gigi(ジジ)での開催です。長らくジプシー朗読会だったのですが、この新gigiで定期開催できそうです。やったね!

 まずは夏野、司会あいさつ&紹介朗読 (*以下【 】内は朗読作品タイトル)今回は、池井昌樹さんの詩集から、三篇選んでご紹介しました。


【花火】池井昌樹

『 ようやくくらくなりかけたころ
  なきひとがきてしゃがんでいる
  はなびしているうしろすがたを
  レジにこしかけひとりみている   』

(「現代詩文庫 池井昌樹詩集」思潮社 より抜粋)


 この池井昌樹さんという詩人のかた、夏野は「現代詩手帖」で知ったのですが、平易なことばで印象的なシーンを描くかたです。さっそく福岡のジュンク堂で現代詩文庫を買い、今回ご紹介してみました。


【月光】池井昌樹
 『 おさないむすこたちをおもう 』 という言葉で始まる詩。自分と息子と、自分の父母と。。さまざまな思いの交錯するよい詩です。


【ほたるのいえ】池井昌樹

『 だれかのむねのふかみへと
  ひとすじつづくみちがあり
  みちのかなたにもりがあり
  こんもりとしたもりかげに
  ちいさなちいさなひをともす
  ほたるみたいないえがあり
  それをとおくでみつめている  』

(「母屋」思潮社 より抜粋)


 印象的な詩です。ひかり、くらやみ、、、ひかりを追う目線が、手品のようにつぎつぎにさまざまのものを照らし出してゆく、と感じました。いえやもりは象徴的ですが、ひとによっていろいろなものを投影することができる、影絵のような、うつくしい詩です。





 それではエントリー、本編です。

1.平地智さん
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【タイトルなし】平地智
『 空にいくつの色が見えるかと聞かれて
  7つと答えるようになるまでの間
  緑色のひよこは緑色の卵から産まれるのだと
  信じて疑わなかったのだけれど              』

(「REIZEN ART SHOW ~How Do You Hatch at FUKUOKA?~」パンフレットより抜粋)

 前回に続いて2回目の登場の平地さん。卵をテーマにした詩を朗読してくださいました。丁寧な描写で、ふわりとした世界観。
 色とりどりの殻に囲まれて眠る、というラストが印象的。ちょうど後ろに飾ってあったお店の花とあいまって、不思議な空間が広がりました。


【薄片】サラ・カイリイ
 はくへん、という言葉の響きから、白片、という文字を想像しましたが、この詩のタイトルは、「薄片」でした。おなじく卵をテーマにした詩だそうです。
 作者であるサラさんの前での朗読。テキストは硬質なのに、朗読はやわらかい手触りで、そのミックス感がよかったです。





2.にぎにぎさん
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大分から来てくださったにぎにぎさん、中原中也Tシャツを着ての参戦です。ステキ!

【アーユーボーワン】にぎにぎ

 『 こんにちは も さようなら も アーユーボーワン 』

 ひじょうに温かみのあるテキストで、にぎにぎさんの明確な朗読が、この詩のよさをストレートに伝えていました。いいなあ。そしてカレー、おいしそう!

テキストはこちら
http://niginigi.junglekouen.com/e313639.html


【あっこガーデン】にぎにぎ
 『 17歳のまんまの君は 
   練習試合も出来ない位狭いグランドの
   片隅で                       』

 病気で甲子園にゆけなかった少年を思う、切ない詩です。

テキストはこちら
http://niginigi.junglekouen.com/e262314.html

 


3.Seiaさん
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【黒揚羽】Seia
 黒い蝶、というだけでもう詩的。

テキストはこちら
→ http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=226384


【また明日】Seia
 朝食という景色から不意に現れる燃える世界。日常の進行と世界の終末が交互に現れる。16ミリフィルム映像を見るような、少し静かな、対比が美しかったです。
 
テキストはこちら
→ http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=226676

 前回に続き2回目の参加のSeiaさん。日常の描写と感情の交錯が素敵です。もっと聴きたい朗読でした。





4.サラ・カイリイ

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【一般】サラ・カイリイ
 寂しいといったら寂しいんだよ、という言葉から始まる詩。外から見た自分と、内側の自分。
 その境目をシンプルにコロコロとしたテンポで綴った大人の詩という印象でした。


【小石】サラ・カイリイ
 気がつけば足を止めている、人間しか足を止めない、あなたは止まらない、と進んで行くこの詩は凍りついた私の片隅に帰着する。
 静かな、静かな、思いを感じました。





5.渡辺玄英さん(ゲスト朗読)
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【クジャクな夜】渡辺玄英
http://www.roppongi-shijinkai.net/20090529-39.html
テキストはこちら↑(六本木詩人会ウェブ)


 何かに追われているんだけれども電池も切れていて、なげやりなようななんとかしたいような、誰かに問いかけたいような自分をみつめているような、とらえどころのなさを感じました。
 ラストの、だめか孔雀、というところがとても印象的。


【けるけるとケータイが鳴く】渡辺玄英

『 手をふって別れた
  それからホームに突き落とした
  どこにも行くところがなくて 
  空も飛べなくて
  くるしむことも
  くるうこともできないぼくらは
  からだの重心がおかしくなっている
  ゆらゆらとフルえる心臓がヘンな生き物に
  なって(いる(いない(かもしれない
  けるけるとボクにでんぱが届く
  どこまでがぼくなのか(わからないね
  ぼくは(ぼくは(ずれつづけて
  どこにもない街の知らない駅の改札をとおった  』

(「けるけるとケータイが鳴く」思潮社 より抜粋)

 ホームに人を突き落とした少年の事件を題材に書かれた詩とのことでした。朗読をきいていると、突き落とした人の視点と落とされた人の視点が交錯してゆくように感じました。
 事件などの報道に触れて詩作することが多い、という渡辺さん。しっかりとした知識のもとに、新しい時代を敏感にとらえようとする姿が印象的でした。



【星と花火と(光のゆーれい】渡辺玄英

 『誰もいないところで さよならと言ってみる』
 どこまでも続く無音。そのなかで花火はうつくしく、なにかを訴えかけるように迫るけれども、すべて静寂のうちに通り過ぎてしまう。次々と。言葉のリズムがそのさまを示しているようでした。
 音をもたない光だけの存在(星)と、さようならと言う自分、が重なりあううちに、自分も音をなくしてゆき、最後は自分も音を持たない光だけの存在(ゆーれい)になってしまうんだなー、うーん、きれいだけどこわいなー、でもいい詩だなー、という感想をもちました。光の透過率という言葉が印象的。
 渡辺さんの落ち着いた朗読とあいまって、透明な花火が見えたようでした。





6.プル式
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【糸つむぎ】プル式

『 井戸の底の水の中に狐が居りそれが人を狂わせるという 』で始まる詩です。
 日本風。たたみかけるような朗読でしたが、あくまでもエキサイトしないのがプル式さんです。


【世界で一番小さな海】プル式
 なにか怪談のような、次はどうなるんだろう?と思わせる話の展開でした。朗読がいいね!

テキストはこちら
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=81401





7.みえみえさん

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 にぎにぎさんと同じく、大分から参戦のみえみえさん、福岡ポエトリー初の、バックトラックをつかった朗読を聞かせてくれました。

【人肌の恋しい季節】みえみえ
 寒くなると~、あなたの求めが分かる きみは僕なんじゃないのかい?
 ハッピーな詩です。秋は人肌の恋しい季節ですねえ。


【水を獲た女】みえみえ
 いつも穏やかな女性の内側に、もしかしたらあるかもしれない炎。水を下さい、というフレーズが区切りの要所に現れます。その水はあっていますか?合わない水ならいっそ捨ててしまうほうがいいかもという内容のなかに、なにか情念のようなものが感じられ、そこが素敵でした。
 いままで福岡ポエトリーに登場したことのない大人の艶やかさをお持ちのみえみえさん。貴重な存在でした。また来てくださいね!





8.網野杏子さん

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 ポエトリーに来る前に、友人との電話のやり取りで「一生詩に向かい合う勇気を貰いに行くんだ」という話をした、という網野さん。詩に対するまっすぐな姿勢がまぶしいです。

【体のどこかが】星野富弘

『 自分が正しくもないのに
  人を許せない苦しみは
 手足の動かない苦しみを
 はるかに上回ってしまった
 ただ花を見て
 白い紙に向かっている時だけ
 その苦しみを忘れる          』

(↑星野富弘著「愛、深き淵より」抜粋)
 
 体のどこかが人の不幸を笑っている、自分が正しくないのに、人を許せないのは体よりつらい、という、どこまでも自分を律しようとする生真面目さが伝わってきました。

 そして網野さん、「本当は他の人の詩を読んでお茶をにごそうと思ったけれど、やっぱり卑怯だと思って、自分の詩を読みます」といって、自分の詩も読んでくださいました。
 それでこそ詩人。福岡ポエトリーはそんな人を待っていた!


【あたしと一緒の墓へ入れなかった君へ】

『 どうしても嫌いになれない男と別れるには、離婚届が必要だ 』

 という言葉で始まる詩は、大事なひとにおくる手紙のような、とてもあたたかいものでした。
 知った後、なお暖かいものが一番。お互い同じものを求めている。幸せになれたらいいね。

 網野杏子詩集『あたしと一緒の墓に入ろう』草原詩社
 ISBN4-434-04981





9.夏野雨

 画像なし。(←ないのかよ!と、とれなかったのよー)


【みどりのペンギン】夏野雨
 ペンギンなのにどうして緑?という語りだし。
 歌のうまいペンギン、飛べないペンギン、不器用なペンギン、そんなペンギンを慕う渡り鳥の友人たち。友人を訪ねる長いたびを終えたペンギンは一人眠りにつく。沢山のやさしさに包まれ歌のなかで終えるハッピーエンド。
 福岡ポエトリーもそうなれるといいねー。という感想でした。


テキストはこちら↓
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=223513





 さていよいよ福岡ポエトリーも定期開催4回目。参加が二回目、三回目の方も登場し、地味に定着してきたでしょうか?どうでしょうか?福岡の詩人を探せ!のようなイベントですが、福岡のポエトリーシーンを活性化させたい、という野望?ももちろんあるのですが、もっとシンプルに、文章や詩を紹介できる場になれば、と思っています。
 夏野は今回、観客として参加してくださったすずさんの、「今までぜんぜん会ったことも、見たこともなかったのに、気がついたら詩人に囲まれてる。。。」という感想が印象的でした。ふりむけば詩人!電車で隣の席にすわった人もじつは詩人。間違い電話がかかってきて詩人(こわい! なんてこともあるかも。
 そんな福岡ポエトリー、詩人でなくてもウェルカムです。むしろ音楽、弾き語り、落語などもお待ちしています。
 次回は12月18日(土) 15:00~ gigiにて。
 エントリー受付ております。 福岡の詩人・楽人を求む!
 





 

拍手[2回]

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[ 2010/12/05 04:44 | Comments(2) | TrackBack(0) | レポート ]

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1. posted by すず  2010/12/08 15:58
こんにちは。すずです♪
夏野さん、私が言った事、覚えていてくれて、ありがとう(^.^)
詩人だらけの、あの空間・・・とても新鮮でした!


「朗読」ってすごいですね!
読む方の声、間、大きさ、スピード・・・きりがない、表現方法は無限。
言葉も無限だし、恐ろしく、面白い世界ですね。

素敵な言葉を話す人って、いらっしゃるし、身近な詩人さんを、発見したいですね~。
2. posted by 夏野  2010/12/08 17:29
すずさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。
覚えてましたよ~。というか、すずさんの感想が、私には新鮮でした。
たしかに、詩人です、といって自己紹介してくる人って、少ないですもんね。(笑

朗読もなかなか奥がふかいですが、
楽しんでやりたいと思っています。
ウェルカム詩人☆と、手招きをしながら。

また来てくださいね~。

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