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[ 2017/09/24 15:33 | ]
2011年1月 福岡ポエトリーVol.6


2011/1/22 (土) 16:00- 18:00 gigi
 
福岡ポエトリーVol.6

朗読順
1.網野杏子さん
2.キミドリさん
3.Seiaさん
4.平地智さん
5.Kさん
6.夏野雨

 



IMG_2449.jpg
 

 2011年最初の福岡ポエトリーです。
 会場であるgigiの店内には、墨のあとも黒々と書初めが飾られていました。すてき。
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 0. 夏野、司会あいさつ&紹介朗読 (*以下【 】内は朗読作品タイトル)

 

【墓碑銘】西條八十
『 われらふたり たのしくここに眠る
  離ればなれに生まれ めぐりあい みじかき時を愛に生きしふたり 
  悲しく別れたれど
  また、ここに、こころとなりて、とこしえに寄り添い眠る         』


 千葉県にある西條夫妻の墓碑に書かれている言葉だそうです。
 しょっぱなから墓碑銘で、何なんですけど、すごくいいなとおもったので、紹介してみました。


【海にて】西條八十
『 星を数ふれば七つ、
  黄金の燈台は九つ、
  岩蔭に白き牡蠣かぎりなく生るれど
  わが恋はひとつにして
  寂し。                』 

                                           (「西條八十詩集」ハルキ文庫より)

光と海の暗さ、白のうかびあがるようすが美しい詩です。


【金糸雀(かなりや)】西條八十


【はるかな国から -序にかえて- 】三好達治
 『 この若者は
   意外に遠くからやつてきた
   してその遠いどこやらから
   彼は昨日発つてきた
   十年よりもさらにながい
   一日を彼は旅してきた
   千里の靴を借りもせず
   彼の踵で踏んできた路のりを何ではからう
   またその暦を何ではからう
   けれども思へ
   霜のきびしい冬の朝
   突忽と微笑をたたへて
   我らに来るものがある
   この若者のノートから滑り落ちる星でもあらうか
   ああかの水仙花は……
   薫りも寒くほろにがく
   風にもゆらぐ孤独をささへて
   誇りかにつつましく
   折から彼はやつてきた

                                                (「二十億光年の孤独」谷川俊太郎 集英社文庫より抜粋)


 春、という言葉を使っていないのに、もえたつような春の匂いがする詩です。いつか朗読してみたいと思っていました。できてよかった。
 


1. 網野杏子さん
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【アンモナイト】山村 由紀

『 今宵も 深海になった館内で
 アンモナイトは時計回りに螺子を巻き
 あなたもわたしも少しずつ
 ぎじり と 渦に絡めとられ
 いつか 時代という大きな括弧に
 とおく くくられるのだろう      』 

                 (「豊潤な孤独」山村 由紀<アンモナイト> 草原詩社より抜粋)

 網野さんは今回、「豊潤な孤独」という表紙の美しいアンソロジー詩集から、編著者である山村由紀さんの詩を朗読してくださいました。
 現役の看護師さんであるという著者の、患者さんとの会話、(おそらく)病院の窓、それを俯瞰している視線、、、最後は白い部屋がそのままきりとられて、すっぱりとあざやかな断面を見ているような気持ちになりました。


【エド】網野杏子
 母とのこと、おばのこと、家族のこと、誰かに語りかけるようにすすんでゆく言葉たちの行方が気になって、いつしかじっと集中してきいてしまうような、不思議な強さを持った朗読でした。強い意味をもつ単語と日常の家族の会話がふつうにつながってゆく、それこそが生活なんだなと考えさせられました。
 網野さんの朗読は、聞くたびに印象が変わり、いつも新鮮です。







2.キミドリさん
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 初登場キミドリさん。「昨日は遠足に行く前の子どものように興奮してしまった」という彼女、福岡でずっと朗読活動をされていたそうです。
 現役漁師で詩人である長沢哲夫さんの「虹色の蛇」から何篇か読んでくださいました。


【虹色の蛇】長沢哲夫 (SPLASH WORDS)
 「いつもの階段」「答えは鏡」、、、
 トラックを使った朗読で、ロードムービーをみているような印象。次々とあらわれる風景に気をとられているうちにシーンは変わり、どこまでつれてゆかれるのか、音楽と言葉が心地よく混ざり合っていました。
 「なめる」「ぼそぼそと僕はてのひらの海をなめる」「ちぐはぐな夜」「おまえはララであり僕はララである」、、、

 流れてゆくのに立ち止まる言葉がある。何度も聞きたい朗読です。録音して電車のなかでipodでくり返しききたい!と思いました。







3.Seiaさん

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【二十億光年の孤独】谷川俊太郎
 『 万有引力とは 引き合う孤独の力である 』
               (「二十億光年の孤独」谷川俊太郎 集英社文庫より抜粋)

 平易な言葉のようでいて、どこか特殊なツボを押さえている。有名なこの詩には、谷川さんのそんなところが全面にでているような気がします。朗読もすてきでした。


【嘘】Seia
『 私は嘘を着て暮らしている 』
 ふりかえってみればそうなんだなあ、と思うこと、人に指摘されて初めて、そうそう!とわかること、それがうまく言葉になっていて、いい詩だと思いました。

テキストはこちら
→ http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=226889


【色の無いエビ】Seia
 自分、を水のなかに沈め、それをしずかにえびがつつく、、淡々とした朗読で、そこがよかったです。

テキストはこちら
→ http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=226974




4.平地智さん
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【美しき灰】西條八十
 これぞ詩人、というような詩。詩人の気概について考えました。


【血ん潟(ちんがた)】古賀忠昭 (「血ん穴」古賀忠昭 弦書房)
 衝撃。
 詩自体も衝撃でしたが、平地さんの気迫あふれる朗読、感情的を抑えた発語が、余計になまなましく迫ってきました。方言詩の力、朗読の力を感じます。脱帽。
 

【くらやみの中に】平地智
『 ここから出ていったら よくなるような気がして
  おそらく気のせいなのですけれど
  今までなんどでもおなじことで
  わたしにだまされてきたから            』
 元気にしていますか、と、呼びかける声と、繭をへだてたようなもどかしさ。ふわふわとたよりなさの残る手触りでした。

 平地さんの朗読は、何か気概のようなもの、女性的あるいは男性的と呼ばれる何か、を感じさせます。何か?と聞かれると困るのですけれど、強いて言えば騙されたいひとを上手に騙す何か、匂いのようなもの。毎回楽しみにしています。どうせなら、楽しく騙されたいじゃない!





5.Kさん
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 初登場のKさん、ひとつまえの平地さんの朗読のあとのマイクに「まだ血の匂いがする、、、」といいなら、リルケの詩を読んでくださいました。
 

【秋】ライナー・マリーア・リルケ


【命】

 静かに語りかけるような朗読でした。


【夢と君とさよならの話】K
『 何故人のことばは言葉に向かってのみ語り
  瞳の闇から目を向けぬのか
  何故人のからだは燃焼する事でしか
  再生しないと訴え食い続けるのか
  何故人の服はいつも新しいままで
  いつまで経っても翼を持たない?

 (そんなことよりも)
 (何故の私はなぜなんだ?)          』
 

 福岡の油山という地名の場所を舞台に、青春と詩が交錯するようでした。要するに別れ話なんでしょうかどうなんでしょうかということには踏み込まずぽんっと放り投げられた白球のようなさわやかさ。

テキストはこちら
→ http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=116192







6.夏野雨

(画像募集中)
 

【HAKATA】夏野雨
『 あけわたしすぎる
  空や海が
  すぐそばまで迫っているので
  それを眺めているだけで
  何も言わなくてもいいような気がする
  太陽が傾き
  移り変わっていく山のふちやその陰影
  ひろく敷かれたアスファルトと
  人の姿のまばらな道に
  あけわたしすぎる
  熱情                    』


 博多のことを書いた詩です。まだ言い足りない、博多は近くて遠い街。

テキストはこちら
→ http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=226220





 今回はよんどころない事情によって、主宰のひとりであるプル式さんが不参加でした。前回までいたゲストもいず、どうなることか?と思いましたが、ご参加いただいた皆様の熱意と詩の力によって、熱気あふれる回となりました。皆さんありがとう。次回は2011年2月19日(土) 16:00~18:00 です。エントリー受付中。みんなきてね!

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[ 2011/02/15 02:45 | Comments(0) | TrackBack(0) | レポート ]

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