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[ 2017/09/24 15:36 | ]
2011年10月 福岡ポエトリーVol.15
 
2011/10/23 (日)16:00-18:00 gigi
福岡ポエトリーvo.15

〔秋のミステリー〕
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朗読順
1.おさだあつとしさん
2.匿名希望さん
3.真山義一郎さん
4.城島久美さん
5.龍秀美さん
6.マッキーさん
7.小島香奈子さん
8.Seiaさん
9.夏野雨




 こんにちはー。10月の福岡ポエトリーです。今回は、「秋のミステリー」という一風変わったサブタイトルです。ちょっとハロウィンにかけてあるような、ないような、怪談でるのかでないのか、みたいな、どんな詩やパフォーマンスがとびだすか、たのしみです。

0.夏野、司会あいさつ&紹介朗読 (*以下【 】内は朗読作品タイトル)

 夏野あいさつ。今日この回に来るまえに立ち寄ったBOOK AT ME (2011.10.19-10.30@天神イムズ)
というブックカバー展のことをご紹介しました。
 このブックカバー展は、年に一度イムズで行われているもので、九州出身のクリエイター150人がデザインした、オリジナルブックカバー150作品が展示してあります。
 また、各作品に投票できるようになっており、投票した人には、なんとブックカバー10枚入りがプレゼントされます。豪気ですね。もちろん夏野も投票しました。夏野いちおしはこちら↓

かねこしんぞう「漱石、ジャムを舐める」http://bookatme.jp/bookcover_list2011/kaneko_shinzo

 そのままブックカバーの一文を朗読

【漱石、ジャムを舐める】河内一郎
『 「吾輩は猫である」が書かれた千駄木町時代の漱石の朝食は、
  一斤一〇銭くらいのイギリスパンに、一キログラム当たり一七~二六銭くらいの白砂糖を付けて
  食べていた。パンに砂糖を付けるのは、森鴎外も同様にしていたようで、当時はこのようにして
  食べる習慣があり、決して珍しい光景ではなかったのである。                       
 』
 いいですね。いつの時代も(あるいは時代が変わるからこそ)食べ物の話は、新鮮で、興味深いものです。

 さて、もうひとつ紹介朗読、今回は、最近思潮社から発行されたほやほやの詩集をご紹介しました。

【ろうそく町】伊藤悠子
『 ろうそく町に行こうと思います
  ろうそく町は古い地図の中にあるはずなのですが
  場所は確かめられません
  名前だけが残っているのです        
  名前は記されてあるのです
  そのろうそく町でろうそくを売るのです        』
(「ろうそく町」伊藤悠子 思潮社 より抜粋)


 ろうそく町、というタイトルからして、もはや一気にもっていかれるかんじなのですが、この冒頭、さらにもっていかれっぱなしです。ろうそく町に行ったかと思うと、もう、ろうそく町でろうそくを売るのです!いやはや。なんていい詩なんだ。。
 ろうそく、というものの、ちょっと宗教的なところ、そしてそれがいつかともされるものであるというところ、それらを一気につめた、とても印象的な作品です。とくに2連目の、ろうそくがともされるところ、それまでシスター的だった風景が、きゅうにやわらかなものになり、そしてまた自分にもどってくる、風景と内観のかさなった、みごとな描写に脱帽です。




1.おさだあつとしさん
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【政治物語】おさだあつとし
『 投票に行ってね
  投票に行くのだ
  投票に行ってくれ  
  政治くさってます  』
 現代政治をモチーフにした詩。社会とか、政治に対するいらだちが前面にでていました。


【パラサイトシングル】おさだあつとし
『 ああ 先をこされてる 現実がみえたね 』
 歌をまじえた朗読。ちょっとつきぬけたかんじが、クセになりそうです。


【ひきこもり】おさだあつとし
『 世間から社会へ 自分から他人へ わたしからあなたへ 』 
 現代社会のことをかいた詩。

【放浪エクスプレス】おさだあつとし
 『 命燃やして 彷徨いながら 歩き続ける 』
 熱唱です ああ、せいしゅん。

 おさださんのパフォーマンスは、はじめみたときちょっとびっくりした部分もあったのですが、みていくうちに、妙な境地に入り込んでいくかんじがします。味のある朗読です。
 今回初めて自作の朗読、ありがとうございました!





2.匿名希望さん
 【爽やかな五月に】【さびしき野辺】【夢のあと】【朝に】【午後に】【樹木の影に】【夢みたものは…】
 立原道造の詩を朗読してくださいました。しっとりとした朗読。ありがとうございました。




3.真山義一郎さん
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 「秋のミステリーということで、ミステリーっていうのをいろいろ考えてみたのですが、やっぱり僕にとっては女性がいちばんミステリーということで、女性に関する詩を朗読したいと思います」といって、朗読してくださいました。

【女たちへのいたみうた】金子光晴
『 おしろいにまみれた裸虫さん
  まだあったかい牛乳瓶さん
  寝床のうえに壊れた瀬戸物さん
  二十年前の匂いやかだった女たちのように
  二十年後は若いあなたも老いているから
  わたしは悲しげに目をつむる 
  蒼穹の深み おびただしい石の円柱が倒れる 』

( 「女たちへのいたみうた」金子光晴 集英社文庫 より抜粋 )

 女性への語りかけーとても親密なーから、無常感にいたる飛躍がさすがです。金子光晴というひとは、女性を描くことを通して、人間や年月といったものをえがこうとしたのかなあ、とおもいました。朗読も、しずかでしっかりとしていてよかったです。トラックを使わなかったことで呼吸がより鮮明になったように思いました。
 とくに、牛乳瓶さん、と語りかけるところが◎

【存在の耐えられない軽さ】ミラン・クンデラ
『 天国へのあこがれとは 人間が 人間ではありたくないという強い願いなのだ 』
( 「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ 集英社文庫 より抜粋 )
 きっぱりとした文章で、印象的でした。


【ツオタイ・タリーの喜びの歌】N・スコット・ママデー
『 僕は輝かしい空を飛ぶ鳥だ
  僕は平原を疾走する青い馬だ
  僕は水の中でくるりと体を回転させ、きらきら光る魚だ
  僕は子どものあとを追う影だ
  僕は夕方の光 平原の輝きだ
  僕は風とたわむれる鷲だ                    』
( 「ネイティヴ・アメリカン詩集」新・現代詩文庫 土曜日術出版販売 より抜粋 )

 鳥、馬、魚、と、次々に視点が移動していって、最後に自分にもどってくる、ちからのわいてくるような詩です。静かな朗読もよかったです。


【君の季節】真山義一郎
『 君の季節
  君の季節
  君の季節がやってきた
  君色に吹く風は
  あの頃のいさかいとはまったく違って
  とても優しくて
  だから余計に寂しい            』
( 「君の季節」真山義一郎 現代詩フォーラム より抜粋)
 夏なのかな、と勝手に思いました。風で始まり光でおわる、せつない詩です。
 ペンギンがでてくるところがかわいかったです。

テキスト(全文)はこちら
「君の季節」真山義一郎 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=241972





4.城島久美さん
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【あの娘は綾波レイが好き】銀杏boyz
『 頭がパーだから 頭がパーだから
  誰とでも寝るんだ 誰とでもやるんだ 』

【わたしがこの歌を好きな理由】城島久美
 この歌を好きな理由を、紙に書いて読んでくださいました。手紙のような、すこし論文のような、ていねいな文章でした。

【ころせころせ】城島久美
『  ころせころ せろこせころせ、朝イチで聞く鈴虫の声  』
 ロック、ロック、とおもいながら聴いていました。冒頭の歌もそうですけれども、過激だったりするだけではなく、反骨的な部分があって、いいなあ、とおもいました。





5.龍秀美さん
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 先月ゲストできていただきました龍さん。今月も立ち寄っていただきました!ありがとうございます。
 先日届いたというほやほやの詩集をご紹介してくださいました。

【三月 雨】小柳玲子
『 夕方
  窓の外をサンマの顔をしたものが歩いていった
  「お父さん サンマが」といったが父には聞こえなかった
  父の部屋はとても遠い
  長い廊下を走っていったが どの夕方にも間に合わない
  裏木戸にはむらさきのおおきなものと
  むらさきの小さなものが来ていた
  「お父さん むらさきの」
  叫びながら走ったが 父の部屋は遠い              』

( 「さんま夕焼け」小柳玲子 花神社 より 抜粋)
 朗読をきいていると、夢のなかをあるいてゆくような感覚になりました。奇妙に色が鮮やかだったり、廊下に電話ボックスがあったりと、ふしぎなことがつづき、どんどんひきこまれてゆきます。
 さいごの、天気予報のような音声、雨にうもれるようなきもちになりました。

【灰色の雲】小柳玲子
『 東の空のはしに 灰色の雲が
  わたしは荒物屋の角をまがり にがうりを一本買った
  夏が終わるらしかった
  わたしは あとさきのない ただようような物語を書こうかと 』
( 「さんま夕焼け」小柳玲子 花神社 より 抜粋)
 雲のようにとりとめのない雰囲気ですすんでゆくのですが、買って帰ったにがうりがキーになってきて、ゆきつかない物語、ゆきどまりのような台所やねむるときのようす、ああ、自分が雲になった(だった)のでは、と思わせられる、深い朗読でした。


【冬の名前】小柳玲子
『 長い階段を降りてゆかなければならない
  わたくし看護士 小柳玲子は 名札をつけてゆく規則である  』
( 「さんま夕焼け」小柳玲子 花神社 より 抜粋)

 魚の描写がどきっとする、長い階段をおりてゆく詩。しずかな声で、印象ぶかかったです。
 今回のサブタイトルにいちばんふさわしかったのではないでしょうか。「秋のミステリー」。さんま、ゆうやけでした。





6.マッキーさん
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【意識のなかに浮かぶもの】マッキー
『 川の土手に 鮮やかに咲く彼岸花 
  赤が一面に滴り ひろがっていく
  川には魚は見えない
  したたり落ちる赤におびえ
  川の淵の淀みや  水草の中の奥底に隠れているのか 
  ただ目だけをぎらぎら光らせ 息をひそめている何かを意識するだけである  』
 ちょっとこわいような描写からはじまる詩。いつものユーモア+座敷わらしに出会った的なこわさがありました。秋のミステリー!





7.小島香奈子さん
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 小島さん、電話にまつわる短編を朗読してくださいました。
 ストーリーの朗読も、いいものですね。素直に物語の行方が気になります。
 すてきなお話、ききとりやすい、可憐な朗読でした。

 今度、朝倉郡のピアノサロン「ぱすとらーれ」でも朗読されるそうです。

●話咲山朗読会 vol.18 11月のスープ
 
11/26(土)14:00~15:30*¥800(1ドリンク付き)
http://pianodaisuki.jimdo.com/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AE%E3%81%94%E6%A1%88%E5%86%85/
 







8.Seiaさん
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【穴空き天井倶楽部】Seia
『 天井にケータイを投げ付けたら
  ぶつかるすんでのところで
  天井に小さな穴があいちゃって
  ケータイすいこまれちゃって

  起こった事の理解が出来ず
  とりあえず検索しようにも
  ケータイすいこまれちゃってて
  思い出したようにPCをつけて

  キーワード検索してみたら
  一つのサイトがヒットした     』

( 「穴空き天井倶楽部」Seia 現代詩フォーラム より抜粋)
 続きが気になって、じっと聴き入っていました。
 聴き終わったあと、名状しがたい感覚が残りました。それでそれは何だろうとよく考えてみたのですが、この冒頭、現実にふしぎなことがおこって、「とりあえず検索しよう」とするんですね。そしてケータイがないから、パソコンで検索しちゃうんですね。そして、検索して、そしたら掲示板があらわれて、それでなんか安心しちゃうんですね。頭上の穴はふさがってないのに。
 現代社会の何かを象徴している、とか、暗喩だ、とか、そういうことではなく、ケータイ、インターネットが身近な一生活者として、なんだかものすごく共感する詩と朗読でした。
 「穴空き天井倶楽部」というネーミングセンスも◎

テキスト(全文)はこちら
「穴空き天井倶楽部」Seia 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=242221


【うらみはらさで】Seia
『 ある日私は死にまして
  ふと気付いたら
  地面で寝てまして

  そうかここは天国かと
  回りを見渡すと
  そこにはただの日常があって
  平日お昼の町並みがあって

  寝ていた私を誰も見ていないので
  これが世に言う幽霊なのかと
  少し透けた手をじっとみました     』
( 「うらみはらさで」Seia 現代詩フォーラム より抜粋)
 タイトル、冒頭をきいて、怖いはなしなのかと思ったのですが、次第にそういうことではないと気がつきました。最後にすけた自分の手は、きっとまだ、生きている手、なのかな、と思いました。言葉をうらぎてゆくかんじ、新鮮でした。朗読が聴けてよかったです。
 

テキスト(全文)はこちら
「うらみはらさで」Seia 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=242297




 

9.夏野雨
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 ミステリー、ということで、考えたのですが、怪奇を書くには修行がたりなかったので、以前書いた詩と、だいじにおもっている詩の2つをを朗読しました。

【りんご】夏野雨
『 まっかなまっかな
  りんごです

  踊りましょうと
  言われたら
  くるくると
  踊ります

  あかいドレスを
  ひるがえし
  あなたの手をとり
  くるくるる              』
( 「りんご」夏野雨 現代詩フォーラム より抜粋)

テキスト(全文)はこちら
「りんご」夏野雨 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=142965


【あざみ】夏野雨
『  千の針を従えて あざみ 野に咲く。 』
 めずらしく散文詩です。いかがでしたでしょうか。当日の感想おまちしています。





 さて10月の福岡ポエトリー、いかがでしたでしょうか。先月ゲストできてくださった龍さんが、またきてくださって、とてもうれしかったです。毎回参加者が違うので、やっぱり全体の雰囲気も変わって、新鮮ですね。
 朗読を楽しむ方、現代詩が好きな方、お話が好きな方、音楽もされている方、いろいろで、「ほんと詩ってひとことで言うけれど、ひろいなー」と、感じています。それから今回、夏野の古い知り合いの詩人、黒猫さん(仮)が、長崎からフェリーに乗って立ち寄ってくれました。ありがとう!





 最後に、よく福岡ポエトリーでキミドリさんが朗読してくださっている詩人・長沢哲夫さんの朗読会のお知らせです。諏訪瀬島に住んでいらっしゃる詩人の方だそうです。

 2011年11月16日(水)20:00~ 
 長沢哲夫【Reading+Talking・Session】(リーディングライブ)

 XAYMACA〔ザイマカ〕
 福岡県福岡市中央区天神3-4-15 天神バッカス館 3F(地下鉄天神駅徒歩3分)
 料金1,000円 要予約→ザイマカ(0927142585)
 http://www.poeca.net/%E9%95%B7%E6%B2%A2%E5%93%B2%E5%A4%AB%E3%80%90Reading-Talking-Session%E3%80%91/event/4324/




 さてさてそれでは、10月の福岡ポエトリーも、これにておひらき、次回は11/27(日)16:00~です。
 サブタイトルは、「返事」。この言葉から連想される詩や小説の一文・パフォーマンスを考えてみてください。また、詩人の返事を目撃したいかたは観覧も◎ 
(※サブタイトルと関係のない朗読・パフォーマンスも歓迎します。
 それではまたお会いしましょう!


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[ 2011/10/23 19:34 | Comments(0) | レポート ]

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