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[ 2017/09/24 15:36 | ]
2011年11月 福岡ポエトリーVol.16

2011/11/27 (日)16:00-18:00 gigi
福岡ポエトリーvo.16

〔返事〕

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朗読順

1.Seiaさん
2.おさだあつとしさん
3.網野杏子さん
4.小島香奈子さん
5.マッキーさん
6.真山義一郎さん
7.プル式
8.城島久美さん
9.夏野雨



 こんにちは。11月の福岡ポエトリーです。今回のサブタイトルは「返事」。
 今回も、サブタイトルと関係あったりなかったり、さまざまなパフォーマンスが飛び出しました。


0.夏野、司会あいさつ&紹介朗読 (*以下【 】内は朗読作品タイトル)

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 さて。今回の紹介朗読は、11/16に福岡で行われた、長沢哲夫さんの朗読会に行った、という夏野の話から、長沢さんと一緒に旅をされていた、ななおさかきさんの詩をご紹介しました。

【ラブレター】ななお さかき
『 半径 1mの円があれば
  人は 座り 祈り 歌うよ

  半径 10mの小屋があれば
  雨のどか 夢まどか

  半径 100mの平地があれば
  人は 稲を植え 山羊を飼うよ  』
              (「ココペリの足あと」 思潮社 より 抜粋)

 
 だんだん距離が広がって、イメージも広がってゆく。
 呼吸する曼荼羅を思わせるような、誰かに教えたくなるような詩です。


【足がある -ナナオと】長沢哲夫
『 記憶という砂漠にころがる石をひろってみよう
  新宿 風月堂
  ナナオはいう
  “君 ぼくはいそがしくってね。そっちにも呼ばれているし、
  あっちにも呼ばれています“
  “いってらっしゃい ぼくはもう少しここに座っています。
   バッハを聴きながら”
  そして また
  “君は今夜の宿はどこかね?”
  “三鷹だよ”
  それでは、とぼくはら歩き出す 
  新宿から中央線にのって
  鉄とコンクリートの水たまりのほとり
  文明をつきぬけ
  「足がある」と                        』
             (「足がある」SPLASH WORDS より抜粋)

 新宿、風月堂というのは、むかし新宿にあった、伝説の喫茶店らしいです。
 行ったことがないのに、長沢さんご本人の朗読が耳にのこっているせいか、その場所をとても近くに感じました。 
 テキスト自体も、語りかけているような口調で、寄り添うようななかに、なにか、時間や空間の残酷さ、そしてたしかさのようなものを感じました。





1. Seiaさん
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【飛べない鳥】Seia
『 嫌だった、この世界が
  自由に飛べる、この世界が

  30世紀生まれの友達や
  50世紀生まれの姪っ子も
  私には居るのだけれど

  飛べない鳥でも 良かった         』
             ( 「飛べない鳥」Seia 現代詩フォーラム より抜粋)

 静かな朗読、いろんな想像の余地のある詩で、きいているあいだ、いろんなことを考えました。

テキスト(全文)はこちら
「飛べない鳥」Seia 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=228068


【ウェイクアップ】Seia
『 起きて、起きてよ
  ねえ、起きてったら

  起きてますよ
  いや、あなたに
  起こされましたよ

  あの、起きてないんですよ
  実際、あなた一人暮らしでしょう
  起きたら部屋に人がいるって
  とても可笑しいことでしょう       』
          ( 「ウェイクアップ」Seia 現代詩フォーラム より抜粋)

 冒頭、ちょっと台詞のようなかんじで始まる詩。誰かとの会話のようでいて、自分との対話のようでいて、ちょっと落語みたいなおもしろみがありました。そしてシュール!

テキスト(全文)はこちら
「ウェイクアップ」Seia 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=244187


【楽園】Seia
『 ピンク色のネコが
  メトロポリスの
  エスカレーターを降りていく

  ビルからビルへと
  剥き出しの
  エスカレーターを降りていく

  それは人工の谷底のようで

  あのネコは
  どこに向かっているんだろう   』
           ( 「楽園」Seia 現代詩フォーラム より抜粋)

 ピンク色の猫が、とても映像的で、印象に残りました。
 楽園へといざなう、その猫を追いかける途中で、この世界や意味のありかたに、静かに問いをかけるような気持ちになりました。

テキスト(全文)はこちら
「楽園」Seia 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=244252

 いつも静かに、独特の世界を表現してくれるSeiaさん。淡々とした朗読なのに、会場をひきこみます。





2.おさだあつとしさん
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【今日をがんばる 弱い自分に負けるな】 大庭 宗一

 語りのおもしろいおさださん、今回は、福岡の、知るひとぞ知る有名人、大庭宗一さんの著書から、文章をご紹介してくださいました。「自分がんばれ」という本で、1巻から3巻まで出ているそうです。





3.網野杏子さん

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 お相撲さんが電車に乗っていて、近くに立っていたら、いいにおいがするので、何だろうとおもって、なかなか聞けなかったけども、なんとか聞いてみたら、「椿油です」と教えてくれた、というお話をしてくださった網野さん。そのお話をきいたこちらまでも、あたたかくてよいにおいのするような気持ちになりました。

早く家へ帰りたい】高階 杞一
『 旅から帰ってきたら 
  こどもが死んでいた
  パパー と迎えてくれるはずのこどもに代わって
  たくさんの知った顔や知らない顔が 
  ぼくを 
  迎えてくれた                          』
              (「早く家へ帰りたい」高階 杞一 偕成社 より 抜粋


 すぐそこに、心情が迫ってくるような朗読で、言葉につまりました。
 




4.小島香奈子さん
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 いつも、ストーリー性のあるテキストを読んでくださる小島さん。今日は、ご自身で書かれたというオリジナル作品を朗読してくださいました。この作品のなかには、小島さんが大学時代につくられた短歌がおりこまれているそうです。

【水族館に人魚がいたよ】小島香奈子
『 コトリと音がして、部屋の空気が揺れた
  裸足でぺたぺたと廊下を歩き玄関に行くと、
  郵便受けから、一枚のポストカードがこぼれていた。  
  青い水の中をおよぐ、沢山の魚たちの写真
  切手は貼られていない。たった今、誰かが郵便受けに入れたのだ。   』

 安定感のある声で、安心して身を預けられました。オリジナル作品を朗読されるのは、なんとはじめてということだったのですが、なんともはや、良質なラジオドラマを聴いているような気持ちになりました。
 いつも朗読をされているせいか、作品のなかにでてくるアイテム、文章の広がり方など、音としてとらえて伝わるように、とてもよく考えられているとおもいました。またぜひ、オリジナル作品、聞かせてくださいね。





5.マッキーさん
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 佐賀から来ていただきました、マッキーさん、今回はなんと、お二人での朗読です。
 本日結成のユニット、もうお1人は、網野杏子さんでした。

【ごきぶり】マッキー
『 落ち着いた大人の色ってかんじの車ね テニスウェアもシックに決めたわ        』
『 ごきぶり色の車やね と 彼は言った テニスの練習に遅れてきた女性の車のことだ
  もっと別の言い方があるのではと思っていたが
  黒褐色のその車をみていると ごきぶり色にだんだん見えてきた             』 

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 軽妙なかけあい、会場からも笑いやどよめきが巻き起こっていました。
 福ポエ初の2人朗読だったのではないかと思います。
 マッキーさんのとつとつとした朗読、網野さんの関西弁をおりまぜた朗読が、いいバランスでした!
 テキストも、2人用に書かれていましたね。
 すてきな趣向、ありがとうございました!




6.真山義一郎さん
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 立川談志さんの話から、まったく関係のない詩をよみます、といって読んでくださいました。

【返事】真山義一郎
『 手紙を書いて
  手書きで書いて
  手紙を出した
  だけど
  元妻からも 前の彼女からも 前の前の彼女からも
  デリヘルのあいちゃんからも
  お母さんからも 返事は来なくて              』

 静かにすべりだした朗読は、ほっともっとのお弁当や、焼酎や、火花や、宇宙や、そんなものを通過するうちに、夜のなかに、なにかあかるい灯明のように、ゆれているのをながめるようなそんな句読点でした。

【三十六歳の青春】真山義一郎
『 もうあいつふざけとう
  もうやろうっ、て、口々に言う
  匕首をみつめたり、 
  眼光をキメたり
  もんもんの入った 上腕二頭筋をふくらませてみたり    』

 なんとも福岡のにおいのすることばから始まる詩。
 この作品は、ユリイカの佳作に選ばれたそうです。おめでとうございます。
 朗読も、とてもよくて、とつとつとはじまるんですけれども、山あり谷あり、ユーモラスで、わらっていいのかな、わ、わらっちゃおうかな、とか、おもいつつ、笑いながら、でも、ちょっとさみしさのてざわりが残りました。


【世界の真山義一郎】真山義一郎
『 世界の果てに立って
  ながめてみたら 不思議ね
  炭鉱の長屋とか かくうちのニッカポッカとか
  遠いようで近くて 引いて行っては寄せて
  寄っていくと消えて
  あのきんけし どこいったかなあ         』

 さみしい、でもどこかそれを超えていて、おしよせる世界をそれでも好きで、だから、
 とてもやさしい、世界への憧れ、と思いました。





7.プル式

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  ひさしぶりに登場のプル式さん、ちょっとまわりすぎるぐらいの滑舌で、絵本を読んでくれました。

焼かれた魚―The Grilled Fish 】アーサー・ビナード
『 どうかして今一度、あのひろびろとした海にいって、なつかしい兄弟たちに会いたい 』 
        ( 「焼かれた魚―The Grilled Fish 」アーサー・ビナード パロル舎 より 抜粋 )

 海にかえりたいさんまの話です。
 とってもせつない!
 そして、いまにもクライマックス、というところで、読むのをやめてしまうプル式さん。

 「自分の詩もよみたいから・・」とのこと!え~っ。 
 

【虹色の町のあなたへ】プル式
『 雨にかすんだ街を見ながら
  少し寂しくなったので
  あなたの言葉を思い出しました。  』
   ( 「虹色の町のあなたへ」プル式 現代詩フォーラム より抜粋)

 なんとも乙男。乙Menです!

テキスト(全文)はこちら
「虹色の町のあなたへ」プル式 現代詩フォーラム
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=79008






8.城島久美さん

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【せかあがほろびねねはら・わなたさ】城島久美
『 世界が滅びないならば、私が消えよう
  auショップで
  いかにも、誘拐されそうな女の子が
  画面に映し出されている…             』

 淡々と、しかしはっきりとした朗読で、声が耳に残りました。
 どんどん見つけてしまう悪意と、それさえも乗りこなそうとする気概のようなものを感じました。

【地獄の季節】アルチュール・ランボー/小林秀雄訳
『 また見つかった、
  何が、永遠が、 
  海と溶け合う太陽が。  』

 有名な詩ですが、朗読を聞いたのははじめてだったので、新鮮でした。
 抑揚の押さえられた声で、そのせいか、詩の言葉がくっきりと伝わってきたように思います。

【好き?好き?大好き? 】ロナルド・D・レイン
『 彼女 好き? 好き? 大好き?
  彼 うん 好き 好き 大好き
  彼女 なによりもかによりも?
  彼 うん なによりもかによりも
  彼女 世界全体よりもっと?
  彼 うん 世界全体よりもっと     』
(「好き? 好き? 大好き?―対話と詩のあそび」ロナルド・D・レイン みすず書房 より 抜粋)

 ひたすら相手の言ったことを肯定していくというテキスト。はじめは、単なる男女ののろけ的なやりとりとおもってきいていたのですが、聞いているうちに、ふっと、果てしない無力感をおぼえるような、いつまでも答えの提示されない質問にえんえんと答え続けているような、しゃべる自動販売機に丁寧に返事をかえしているような、気分になりました。実存主義から交流分析まで、いろんな感想が、さまざまに頭のなかをかけめぐりました。

 いつも海外文学・文化のエッセンスを紹介してくれる城島さん。貴重な人材です。
 最近いつもきてくれて、ありがとう!





9.夏野雨

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【こちら地球】Seia
『 こちら地球 きこえますか
  月がとても美しいです どうぞ
  こちらガイア きこえます
  月がとても恋しいです どうぞ

  日本と呼ばれていた辺りに船を止め
  現在 周辺を巡視中です
  まだ 建物は残っています
  ただ 相当苔むしていて
  段々と自然に戻っていくのがわかります  』
       ( 「無限チャンネル計画」 より 抜粋 )

 先日手に入れたSeiaさん私家版の詩集、「無限チャンネル計画」から、一篇朗読しました。
 ご本人の朗読をお聞きしたことがあったのですが、自分で読むとなると、テキスト自体が新鮮で、また新しく出会った詩のように感じました。
 紙の詩集で読むのも、いいものですね。

 観客の方からは、「色のついたような朗読だった」という感想をいただきました。読み手が変わると、詩の印象も、だいぶ違うようです。

 テキスト(全文)はこちら
 「こちら地球」Seia 現代詩フォーラム
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=233726

 そしてもう一篇は、自作を朗読しました。
 今回のサブタイトル、「返事」は、紅葉が、返事みたいにみえた、という、夏野のおもいつきから決まったのですが、それにちなんだ詩になりました。ひさしぶりの即興暗唱でした。長くなってしまった!

【返事】夏野雨
『 黒い森でした
  その文字たちの黒い森のなかで
  わたしは
  足をとめることなく
  あるいていたのです
  その黒い文字たちの、読み始めた、その幹のあいだを
  あるいていたのです                         』

 テキスト(全文)はこちら
 「返事」夏野雨 現代詩フォーラム
 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=250149





 さてさて11月の福岡ポエトリー、サブタイトルは、「返事」ということなのですが、いかがでしたでしょうか。毎回、考えに考え抜いたサブタイトルをつけているのですが、たまにつけたおもいつきのほうが、話がひろがることがありますね。ふしぎなものです。

 最近レポートブログの更新が遅くて、ぺこりぺこりです。しかし開催した分、いつかかならず掲載しますので、どうぞひとつおおきな心でみまもってやってください。

 それからさいきん、「福ポエにはゆけないけどこのブログはいつもみてます!」という方にたびたび出会います。、ありがとうございます。励みに更新がんばります。

 ではまた、このブログ、もしくは福岡ポエトリーでお会いしましょう!






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拍手[7回]

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[ 2012/03/03 14:43 | Comments(1) | レポート ]
1. posted by website optimization  2012/05/29 11:24
そこにこんにちは、私はあなたのブログが大好きです。私はサブスクリプションまたはいくつかのことのような更新を受け取るためにできることは何かありますか?私は残念私はRSSに精通していないよですか?

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